2010年F1第19戦アブダビGPが11月14日(日)、ヤス・マリーナ・サーキット(1周/5.554km)で3日目を迎え、現地時間17時(日本時間22時)から決勝が行われ、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が優勝した。
レーススタート時の天候は晴れ、気温29℃、路面温度は33℃。スタート直後の1コーナーで混乱はなかったものの、1周目のターン6でミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)がスピン。コース上に止まったシューマッハのクルマにビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア)が乗り上げてしまい、セーフティカーが出動した。
また、3番手スタートのフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が1つ順位を落とし、4番手になっている。王座獲得がかかっているアロンソは、1コーナーでジェンソン・バトン(マクラーレン)に抜かれたが、無理に順位を守ろうとはしなかった。
トップはポールからスタートしたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)、2番手ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、3番手バトン、4番手アロンソ、5番手マーク・ウェバー(レッドブル)になっている。このセーフティカー導入を利用し、中団グループではピットインするクルマもいた。
レースは6周目から再開。ベッテルがファステストラップを連発しながら走行しているものの、ハミルトンもベッテルと同じようなペースで走っており、差は大きく広がらない。11周目終了時にウェバーがピットへ、ウェバーはハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)の後ろ、16番手でコースへ復帰した。
13周目終了時には、フェリペ・マッサ(フェラーリ)がピットへ。ウェバーのピットストップ前にはウェバーの直後を走っていたマッサだが、ウェバーの前でコースへ復帰することはできなかった。15周目終了時にアロンソがピットイン。アロンソは12番手、ウェバーの前でコースへ戻り、ウェバーの前の順位を確保した。
その後、レースはこう着状態になっているものの、ベッテルが4番手以下を引き離しているのに対し、アロンソは前を走るビタリー・ペトロフ(ルノー)を抜けずにいる。ペトロフはすでにピットストップを終えていることから、アロンソはコース上でペトロフを抜かなければならない。
23周目、アロンソがペトロフに仕掛けたものの、ペトロフと接触寸前になり、アロンソが引く形になった。そしてハミルトンがピットへ。ハミルトンは5番手でコースへ復帰。24周目終了時にはベッテルもピットイン。ベッテルは小林可夢偉(ザウバー)の前、2番手でコースへ復帰。3番手まで浮上していた可夢偉だが、ロバート・クビサ(ルノー)に抜かれ4番手になってしまった。
アロンソの前にはすでにピットストップを終えたクルマが何台かいるため、このままだとアロンソはチャンピオンになれない。一方でベッテルは、ファステストラップを更新しながら後続との差を広げている。バトンは39周目終了時にピットインし、4番手でコースへ復帰した。
46周目終了時にクビサがピットへ。クビサは6番手でコースへ復帰。次の周にはエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)がピットインし、これでアロンソの前にいる全員がピットインを終えた。この段階でトップはベッテル。2番手ハミルトン、3番手バトン。アロンソは7番手、ウェバーは8番手になっている。
レース終盤、クルマの状態が厳しくなっているのか、それとも精神的なものが原因なのか、アロンソがコースオフする場面も何度かあった。
結局、ポールポジションからレースをスタートしたベッテルがレースに優勝。アロンソやウェバーが順位を上げられることはなく、ベッテルが史上最年少のF1チャンピオンに輝いた。
なお、小林可夢偉(ザウバー)は14位でレースを終えている。