トルコGPでは、各チームが再びFダクトを搭載することになる。
Fダクトは、今シーズンにマクラーレンが他チームに先駆けて導入したシステムだが、ストレートでのトップスピードを向上させるものであり、ザウバー、フェラーリ、メルセデスGPなども導入し始めていた。
ザウバーは、安全面の理由からモナコでFダクトを使用していなかったが、チーム代表のペーター・ザウバーはこう説明した。
「トンネルでは、ドライバーに両手でステアリングを握っていて欲しかった」
「1994年にあそこでカール・ベンドリンガーが事故に見舞われてから、私はあの場所については注意している」とザウバーは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』へ語った。
ベンドリンガーは1994年のモナコGPフリー走行中にトンネル直後のシケインでクラッシュしている。意識不明の重体になるほど深刻なクラッシュだった。
ザウバーのシステムはドライバーが左手でFダクトを操作するようになっているため、危険だと判断してモナコでは使用しなかったとのことだが、フェラーリもドライバーが左手で操作するシステムを採用している。
フェラーリもモナコではFダクトを使用しなかったが、こちらは安全面ではなく、ただ単に曲がりくねったモナコでは効果がないためだと説明していた。
マクラーレンではひざで操作するシステムになっているとみられ、モナコGPでも使用されていたが、ドライバーのルイス・ハミルトンはその効果について、モナコでは1周あたり100分の数秒だけだったと語っている。
ザウバーとフェラーリは、トルコで再びFダクトを搭載するが、フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリはこう話した。
「バルセロナでは、われわれのシステムは期待していたように機能しなかった。まだ微調整をしている段階だ」
スペインGPでフェラーリは、非常に速い最高速を記録していたが、「システムを作動させていないときに」コーナーでダウンフォースを奪ってしまっていたとドメニカリは認めた。
またトルコでは、レッドブルもFダクトのテストを開始する予定になっており、チーム代表のクリスチャン・ホーナーがF1の公式ウェブサイトへ次のようにコメントした。
「われわれは研究を行っており、これからの数戦で確認することになる。だが、導入するのはその効果が確認された場合のみだ」