ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)は、モナコGPでクラッシュした直後に、ステアリングを投げることで他のドライバーを危険にさらしたという意見を否定した。
バリチェロは、ボーリバージュを駆け上がっている際、トラブルが発生したためにクラッシュ。コース上にクルマが止まるとバリチェロは、ステアリングを放り投げ、そのステアリングはレーシングライン上に落ちた。
このクラッシュはガードレールをへこませるほど激しいもので、バリチェロは明らかに興奮した様子で5万ドル(約460万円)のステアリングをコース上に投げていた。
この直後にクラッシュ現場を通過したカルン・チャンドック(ヒスパニア・レーシング)はバリチェロのステアリングをトンネルまで引きずっていってしまった。そこでさらにブルーノ・セナ(ヒスパニア・レーシング)がこのステアリングを踏んでしまっていた。
昨年には、バリチェロのクルマから脱落したスプリングが走行中のフェリペ・マッサ(フェラーリ)の頭部に激突し、マッサがタイヤバリアへ大クラッシュするという事故が起きていた。
そもそも、クルマから離れる際にステアリングを戻さないことはレギュレーション違反になる。
「彼は何をしていたんだろうね? 実は、チャーリー(ホワイティング/レースディレクター)があの件について僕の話を聞きに来た。彼が投げていたことはビデオでも確認できる」とチャンドックは語っている。
しかしバリチェロは、ステアリングを投げた理由についてこう説明した。
「できるだけ早くクルマを離れたくてステアリングを投げたんだ」
「クラッシュの後、僕のクルマは進行方向の逆を向いていたし、火も出ていたからね」
ウィリアムズの共同オーナーであるパトリック・ヘッドも次のようにバリチェロの行動を擁護した。
「時速120マイル(時速約190km)で抜けるコーナーの真ん中で止まっていれば、“できるだけ早く脱出しよう”と思うものだ」