モナコGPでスチュワードを務めた人物が、忙しすぎたためにルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)へペナルティーを科せなかったと語った。
モナコGPでは、最終ラップでレギュレーションに違反してフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)を抜いたとして、ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)がペナルティーを受けているが、バリチェロもペナルティーを受けるべきだとの意見がある。
レース中にクラッシュしたバリチェロは、ステアリングホイールを放り投げており、レーシングライン上に落ちたこのステアリングをカルン・チャンドック(ヒスパニア・レーシング)がふんでしまったところもテレビで放映されていた。
チャンドックはトンネルまでステアリングを引きずっていってしまい、そこでさらにブルーノ・セナ(ヒスパニア・レーシング)がステアリングをふんでいた。
バリチェロは、クルマが進行方向の逆を向いて止まっており、火も出ていたことから一刻も早くクルマを離れるためにステアリングを投げたと語り、他のドライバーの安全を軽視したとする意見を否定している。
だが、モナコGPでスチュワードを務めていたポール・グートヤーは、バリチェロの件にスチュワードが気付いていなかったわけではないと『Blick(ブリック)』紙へ語った。
「実際に、バリチェロもわれわれのリストに入っていた」とグートヤーは認めている。
だが、その後に起きたシューマッハの件を裁定するため「大騒ぎ」になったことから、バリチェロの件が処理されなかったとグートヤーは説明した。