デーモン・ヒルは、元ドライバーがF1で投票権を持つ完全なスチュワードを務めるべきなのか確信が持てなくなったようだ。
ヒルを含めたモナコGPのスチュワードは、ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)に20秒加算のペナルティーを科したが、その後ヒルは「嫌がらせのメール」が来ていることを明かした。
2010年から、統括団体FIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が元ドライバーをスチュワード団に加えるという試みを開始し、モナコGPではヒルがスチュワードを務めていた。
現役時代、ヒルはシューマッハの宿敵であったことが知られているが、スチュワードの部屋に入る際にシューマッハは「苦笑い」していたとヒルは語っている。
またヒルはイギリス各紙へ、偏見を持って判断を下したと非難する「辛らつなメール」が届いていることも明かした。
「完全なFIAの代表者という立場に置かれることには違和感を抱いていた。私の専門はドライバーだ。規則の策定やレギュレーションの解釈ではない」
「マイケル(シューマッハ)に関する件を裁定することになったのも、私が不快に思った理由だ」
「私がきちんと適切に行動したと言えば、ほとんどの人が信じてくれると思う。ただ、ドライバーは実際のスチュワードではなく、スチュワードのコンサルタントになった方が適切なのかもしれない」とヒルは話している。
またペナルティーを受けることになったシューマッハ本人は、ヒルが適切に行動していたと考えているようだ。
「デーモンのことは知っている。彼はいいヤツだよ」とシューマッハはコメントした。