2010年シーズンも残り5戦、5人のドライバーがタイトルを争っている。
マクラーレンでは、所属するルイス・ハミルトンとジェンソン・バトン両方がタイトル争いに加わっているが、「(どちらのドライバーを優先させるか)決めたくない」とチーム代表のマーティン・ウィットマーシュは語った。
マクラーレン勢のほかにも、レッドブルのマーク・ウェバーとセバスチャン・ベッテル、そしてフェラーリのフェルナンド・アロンソがタイトルを争っている状態だ。
「5人の中から、最終的にはベッテルとウェバーの一騎打ちになるだろう」
「最高なパッケージを持っている彼らに優位性がある」とニキ・ラウダは『Bild(ビルト)』へ語っている。
実際にフェラーリは、イタリアGPで優勝するまで、アロンソによるタイトル獲得の可能性をあきらめかけていた。アロンソ本人も、まだタイトルの可能性はあると語りつつ、そのチャンスが小さいことを認めている。
「全レースで表彰台に登ることが、ほぼ不可欠な条件になっている」
「自分が何ポイント獲得しているのか分からないけど、リーダーから21ポイント差になっていることは分かっているよ」とアロンソはスペインのメディアへ語った。
フェラーリは、特殊なパッケージが持ち込まれるイタリアGPで優勝した。しかし、次戦シンガポールGPで同じような結果を残すのは難しいと、フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリは『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』へ認める。
「シンガポールは、レッドブルがいつもの強さを取り戻すコースだ。マクラーレンも強さを発揮するだろう。モンツァ(イタリアGP)よりも、厳しい戦いになる」
「だが、どうなるのか誰にも分からないのが今シーズンだ。それぞれのレースで、事前に言われていることとは、別のことが起きている」
また、ブラジルのコメンテーターであるリビオ・カラバンティは、「レッドブルはどこでも強い。しかし、ライバル勢が非常に強いのは、特定のサーキットのみだ」と分析している。
ベッテルも、シンガポールGPではレッドブルが強さを発揮すると予想して、「レッドブルが有利。マクラーレンは不利」と『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンタック)』へ語った。
しかしウィットマーシュは、「われわれが、ここで強くて、あそこでは弱いといった話を聞くが、彼らが何を根拠にそう考えたのか、私には分からない」と話している。