2010年シーズンにこれまで最も成功しているのは、ジェンソン・バトン(マクラーレン)の「とても賢いアプローチ」だ。メルセデスGPのチーム代表ロス・ブラウンがこう語った。
現在ドライバーズ選手権でトップに立っているのは、雨がらみとなった2戦で優勝したディフェンディング・チャンピンのバトンである。
しかし冬の間、少なくともシーズン序盤にバトンは、チームメートのルイス・ハミルトンに負けるというのがほとんどの関係者の意見であった。
だが、バトンの友人でもあるデビッド・クルサードは『Telegraph(テレグラフ)』のコラムで、「僕の言ったとおりだ」と書いている。
ブラウンGP(現メルセデスGP)のチーム代表として、昨年はバトンとともにタイトルを獲得したブラウンは『Reuters(ロイター)』通信へ、2009年シーズンの序盤に優勝を重ねていた「自然なジェンソン」になっていると語った。
バトンは2009年シーズン後半、あまり積極的にはならず、緊張でこわばったような走りが目立っていたが、あれはタイトル争いによるプレッシャーの影響だとブラウンは説明した。
「彼は必ずしもルイスより速くは見えないが、彼のほうがいい働きをしており、リザルトも残している」とブラウンは加えた。
マクラーレンで長年テストドライバーを務めていたペドロ・デ・ラ・ロサ(ザウバー)も、パドックにいる関係者のほとんどがハミルトンよりもバトンのほうが好調になるとは予想していなかったと語る。
「それを予想していた人はほとんどいないよ」
「彼(バトン)は冷静さをたもって、タイヤの問題もほとんど抱えなかった。でも僕は、ハミルトンの強さも知っている。彼もすぐに目を覚まして反撃するよ」とデ・ラ・ロサは『Blick(ブリック)』紙へコメントした。
デ・ラ・ロサはバトンではなくハミルトンがタイトルを争っていくと考えているようで、最終的に誰がチャンピオンなるのか質問されたデ・ラ・ロサは、こう答えていた。
「いい質問だね。答えるのが難しいよ」
「ハミルトン、ベッテル(セバスチャン・ベッテル/レッドブル)、アロンソ(フェルナンド・アロンソ/フェラーリ)・・・必ずしもこの順番ではないけどね!」