ザウバーが、今シーズンにマクラーレンが導入して大きな話題になった「Fダクト」と呼ばれるシステムをコピーしたわけではないと語った。
マクラーレンのモノコックにはドライバーがひざで操作できる小さなエアインテークが装着されており、ここから入った空気がシャシー内を通ってリアウイングのすき間へ抜けるとみられている。
このシステムはレギュレーション違反なのではないかとして大きな話題になったが、開幕戦バーレーンGPでレギュレーションに違反していないことが確認された。
これにより、各チームがこのシステムをコピーするとみられていたが、オーストラリアGPで早くもザウバーが同様のシステムを導入し、周囲を驚かせていた。
前チームオーナーのBMWがF1を撤退したため、現在のザウバーはF1でも最小規模のチームになっており、いまだにクルマのボディーにはスポンサーのロゴが少なく、ほぼ真っ白なカラーリングになっている状態だ。
また、昨年までリザーブドライバーとしてマクラーレンに在籍していたペドロ・デ・ラ・ロサが、今季のザウバーでレースドライバーになっていることからも、ザウバーがメルボルンへこのシステムを持ち込んだことに注目が集まっていた。
しかし、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌によると、ザウバーにも以前からこのアイデアはあったようだが、デザイナー陣がドライバーによって気流をコントロールするのはレギュレーション違反だと考えていたようだ。
だが、バーレーンでこれがレギュレーション違反ではないとの裁定が出たため、メルボルンへこのシステムを持ち込むことにつながったという。
今シーズンはシャシーが認証制になっており、コスト削減や安全性の理由以外ではデザインを変更できないことになっているが、ザウバーはサイドポッドにエアインテークを設置することで、このルールを回避している。
さらにザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーは、次のようにマクラーレンのシステムをコピーしたとの意見を否定した。
「マクラーレンをコピーしたわけではない。こんなに短時間では不可能だ。これはわれわれ独自のシステムであり、もしマクラーレンのものと類似しているとすれば、それは単に同じタイミングで同じアイデアを持っていたというだけだ」