フェラーリは、F1のダブルディフューザーに関する騒動が再燃すると予測しているようだ。
2010年型車F10の発表会でフェラーリのアルド・コスタ(テクニカルディレクター)は、少なくとも1チームのディフューザーは、合法性が「ギリギリ」な状態であると考えていることを明かしていた。
昨シーズンの開幕時、ブラウンGP(現メルセデスGP)、ウィリアムズ、トヨタがダブルディフューザーを投入したことで大論争になったが、FIA(国際自動車連盟)は最終的にこれを合法と認めた。
「われわれは昨年、非常に不愉快な状況に立たされ、今でもダブルディフューザーは違法だと思っている。この問題はまだ続くかもしれない」とコスタは『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙へ語った。
フェラーリのチーフデザイナー、ニコラス・トンバジスも次のように加えている。
「ダブルディフューザーで多くのことが試せるようになる。われわれは、それを憂慮している」
マクラーレンが2010年型車MP4-25を発表した29日(金)には、2010年のF1のディフューザーがダブルディフューザーをさらに発展させ、「3段型」や「4段型」になるのではないかともうわさされていた。
「(ダブルディフューザーを)非常に極端な形で実現したが、それはわれわれだけではないだろう。ライバルも非常に大胆な処理を行ってくると予想している」とマクラーレンのエンジニアリングディレクター、パディ・ロウは語っている。
発表会で壇上に展示されたMP4-25は、リア部分が見えない向きで展示され、ディフューザーもカバーで目隠しされていた。
これまでに発表されているフェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズの新車は、すべてノースが非常に高くなっている。これは、ディフューザーへ流れる空気の量を最大限に確保するためのものだ。
しかし、フェラーリがディフューザーに関するルールがまだ不明確だとする一方で、ロウはこれを次のように否定した。
「解釈は非常に明確だと思っている。ある分野では、FIAに助言を求めた。その結果、非常に明確な解釈、理解、助言を得ることができた。全チームが同じような助言を得られるはずだ」
「レースの基礎に関する、各チームの総合的な理解については、1年前よりもクリーンな状態で開幕を迎えたいと思っている」