SUPER AGURI(スーパーアグリ)との関連の深いイギリス企業が、ヒスパニア・レーシング(HRT)にとって助け舟になる可能性がある。
HRTは2010年、ダラーラからシャシーの供給を受けたが、すでにダラーラとの契約を解除。また、2011年に向け、トヨタと技術提携の交渉を行っていたものの、この交渉は決裂した。
来季のF1では、予選Q1のトップタイムから107%以内のタイムを記録できなかった場合、決勝に出場することは認められない。しかし、もしHRTがシャシーのパートナーを見つけられず、来季も2010年型車F110の改良版で戦った場合、この107%ルールによって決勝を走れない可能性が高いとされている。
バーレーンでのF1開幕戦まで、あと3ヶ月をきっているが、スペインのウェブサイト『f1aldia.com』は、複合素材などを扱うイギリス企業『フォームテック』がHRTにとって最後の望みになっていると伝えた。
HRTのチームオーナーであるホセ・ラモン・カラバンテも先日、「ドイツとイギリスで」2011年型車の製造が進んでいると話していた。
オックスフォードシャーを拠点にするフォームテックは、マーク・プレストンが率いている企業だ。プレストンは、SUPER AGURIの技術責任者を務めていた人物で、チームの消滅後、ドイツの出資者とともにチームの資産を獲得していた。
フォームテックは現在、ルノーやロータス、トロ・ロッソといったF1チームに複合素材を供給しているほか、SUPER AGURIの2006年型車を現行ルールに適合させたF1シャシーを製造し、走らせてもいるようだ。
「フォームテックは、ヒスパニアが必要になるであろうリソースを提供でき、彼らにとってはピッタリだ」とプレストンはコメントしている。
2011年シーズンの開幕が近づいているものの、SUPER AGURIは本格的にチーム設立の動きが始まってから数ヶ月でデビュー戦を迎えていたチームだ。プレストンもSUPER AGURIの一員であったことから、「たった100日でわれわれはSUPER AGURIをデビューさせたんだから、不可能なことなんてほとんどないよ」と自信を見せた。