もしレッドブル勢が2010年のドライバーズ選手権を獲得できず、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)がチャンピオンになった場合でも、「勝者」はレッドブルだとの分析がある。
最終戦アブダビGPを迎えた段階で、アロンソがランキング首位に立っており、レッドブルのマーク・ウェバーが2位、同じくレッドブルのセバスチャン・ベッテルが3位につけている。
追う立場にいるレッドブルだが、チームのポリシーとして、どちらか一方のドライバーに集中することはせず、2人のドライバーを自由に戦わせるという姿勢を貫いてきた。もし14日(日)のアブダビGP決勝でもこのポリシーを貫いた場合、レッドブルはドライバーズ選手権を獲得できない可能性が低くない。
しかし、スペインの一流ビジネススクール『IESE』でマーケティングを専門にしているホセ・ルイス・ヌエノ教授は、このレッドブルの戦略は非常に賢いとして、『El Pais(エル・パイス)』へ次のように語った。
「もし彼らが選手権を獲得できなくても、レッドブルというブランドの価値観を裏切らないことになる。つまり、レッドブルは勝つのだよ。彼らが負けることはないのさ」
また、グローバル・マーケティングの専門家である『ESADE』ビジネススクールのホセプ・フランチは、「自分たちの理想を守るために勝利を逃すことが、レッドブルの利益につながるのだろうか?」と語っている。
これに対しては、ラモン・リュル大学のミケル・アルラリーバが、こう答えた。
「レッドブルがアイデンティティーを裏切ることはないだろう」
「この戦略を貫いて負けたとしても、彼らにとって悪い結果にはならないはずだ」