シンガポールGPに山本左近(ヒスパニア・レーシング)の代役として出場したクリスチャン・クリエンは、F1復帰が「1回限り」のことであるとレース後に語った。
ヒスパニア・レーシング(HRT)側は、左近が食中毒になったため、急きょクリエンが出場することになったと説明していた。しかし、クリエンの出場と同時にHRTは、クリエンの母国オーストリアからのスポンサーを獲得しており、単なる食中毒ではなかったとの見方もある。
また、シンガポールGPのパドックでは、左近の個人スポンサーの1つが、HRTから離れたともうわさされていた。そのため、より豊富な資金を持ち込めるクリエンがシートを獲得したとされている。
そんな中でクリエンは、シンガポールで見事なパフォーマンスを見せた。決勝では油圧系のトラブルのためリタイアを強いられたが、予選ではチームメートのブルーノ・セナに大差をつけて勝っていた。
将来について質問されたクリエンは、次のように語っている。
「シンガポールでは、1回限りのこととして山本左近の代役になった。ほかのことについては、僕に決定権はない」
「またちゃんとしたレーシングドライバーだと実感できて、最高だった。今週末に注目を集められていたことを願うよ」
F1復帰を喜んでいたクリエンだが、HRTの2010年型車F110については高く評価しておらず、ジョークまじりに『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』へこう話した。
「まるでラリーのような挙動だったよ」
「キミ・ライコネンにアドバイスを求めるべきだったね」