1周目の最終シケインでのクラッシュによりカナダGPをリタイアすることになった小林可夢偉(ザウバー)。自身のブログで、「自分の判断に関して本当に未熟だった」とクラッシュを振り返った。
前戦トルコGPでは再びQ3に進出し、可夢偉は予選で驚異的な速さを見せられるドライバーであることを証明していた。しかし、カナダGPでは苦戦を強いられ、Q1で脱落している。
「予選から何かすべての歯車が狂ったように上手(うま)くいかなかった」と振り返る可夢偉。公式ウェブサイトに掲載されたレポートによると、タイヤに関する読みが外れたようで、可夢偉は次のように加えている。
「予選では、タイヤがどれくらいでウオームアップするのか、完全に読み間違えでした」
可夢偉の説明によると、まずハード側のタイヤでタイムを計測した後、ピットへ戻るためのラップでもセクター1とセクター2でベストタイムを記録。しかし、燃料が足りないためピットへ戻らざるを得なかった。
2回目の走行ではソフト側のタイヤを装着したものの、時間内にタイヤを温めることができなかったようで、「路面温度も上がっていたんで、朝よりは温まりがいいだろうと思って出ていったら、ウオームアップが全然ダメ」とコメントしている。
また、チームとのコミュニケーション面でも課題が残ったようだ。
「最初にプライム(ハード側)でアタックした後、僕はすぐに行きたいと言ったんですけど、まあそういうところもチームにはもっと言えるようにならないといけませんね。僕としてはもう少しタイムが出たはずだったので、すごく残念でした」
そして迎えた決勝。可夢偉はスタートで大きくポジションを上げたものの、最終シケインの縁石でバランスを崩し、ウォールにクラッシュしていた。可夢偉は、次のようにクラッシュ時の情報を説明している。
「スリップに入ってヒュルケンベルグ(ニコ・ヒュルケンベルグ/ウィリアムズ)を抜いたんですけど、前にいたシューマッハ(ミハエル・シューマッハ/メルセデスGP)もシケインへのブレーキングが遅れていて、ブレーキングが遅れてしまった」
「ただ、そのまま真っすぐシケインをカットしていたら、せっかく抜いたポジションを戻さないといけないかもしれないと思って、なんとか無理して曲がろうとしたんです。だけど曲がり切れず縁石に乗って、クルマがジャンプして、もうコントロール不能でした」
このクラッシュには可夢偉自身も落胆したとのことで、「すぐにチームに謝りましたけれども、なんであんなことしたんやろうと、自分自身にすごく腹が立っているし、すごく反省してます」と加え、さらに続けた。
「本当にファンの皆さんそして応援してくれてる方々、申し訳ありませんでした」
「先週、カナダでは自分の判断に関して本当に未熟だったと自分への恥ずかしさと悔しさでいっぱいです」
しかし可夢偉は、この件で落ち込むようなことはなく、すでに次の戦いを見据えている。
「勿論(もちろん)言い訳するつもりもなく、これから二度と同じ失敗を繰り返さないように自分自身努力して成長しますのでこれからも応援して下さい」
「もっと自分に自信もって戦わないと!!」