今シーズンの大きな話題の1つになっているFダクトだが、他チームに先駆けてこのシステムを導入したマクラーレンでは、「RW80」と呼ばれているようだ。
Fダクトという呼び方は、エアインテークの形状、もしくはこのエアインテークがスポンサーである『Vodafone(ボーダフォン)』のロゴの“f”の部分あることから専門メディアが作ったものだとされている。
しかし、マクラーレン内での正式名称は「RW80」であるようだ。RWはリアウイング(Rear Wing)の頭文字であり、80は開発における反復回数をもとにした数字だという。
マクラーレンのドライバーはひざでエアインテークの開閉を操作しているとされたことから、当初は冗談まじりに「ニーゲート」という名前を広めようとしたメディアもいたが、これは失敗に終わった。
結局、「ひざによって操作するエアインテークとリアウイングのシステム」という言葉を書くことにメディアがうんざりしたため、Fダクトという名前が広まっていった。
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは上海で「うちではエフイング(F’ing/Fで始まる単語の婉曲表現)ダクトと呼んでいるよ」と冗談を言っていた。
現在のF1で最速になっているレッドブルは、すでにメルセデスエンジンに対してパワー面で不利になっていると不満を語っており、Fダクトによってさらに不利な状況になっているが、まだFダクトを導入できていない。
「彼ら(マクラーレン)のほうが30から40馬力ほど大きいことを忘れないで欲しい。それに加えて、Fダクトによるストレートラインでのアドバンテージもあるんだよ」とホーナーは語った。
レッドブルのドライバーであるセバスチャン・ベッテルも、身をもってFダクトの効果を味わったようで、次のようにコメントしていた。
「午前中にジェンソン(バトン/マクラーレン)の後ろで走っているとき、自分でその効果を確認するチャンスがあったんだ」
「ストレートの中盤から、まるで自分が止まっているんじゃないかって思うぐらいに、彼は僕を引き離していったよ」