ニコ・ヒュルケンベルグ(ウィリアムズ)のマネジャーが、ヒュルケンベルグが今季限りでシートを喪失するのは確実だとの憶測を否定した。
以前から、2010年のGP2チャンピオンであるパストール・マルドナードが、2011年はウィリアムズに加入し、2009年のGP2チャンピオンになっていたヒュルケンベルグがシートを失うと報じられていた。
ウィリアムズは、今季限りで複数のスポンサーを失うが、マルドナードには母国ベネズエラの石油企業PDVSAからの大規模な支援がある。また、ウィリアムズの共同オーナーであるパトリック・ヘッドは、2011年のドライバー選択には経済的な要素もかかわってくると認めていた。
そんな中、ウィリアムズは25日(月)、最終戦後に行われるアブダビでの若手テストにマルドナードを起用すると発表。また、ウィリアムズはバルテリ・ボッタスが来季もテストドライバーに留任することも発表したため、マルドナードがテストドライバーとしてウィリアムズに加入することは考えにくい。
マルドナードは先月、「(アブダビ)GP後に新チームとのテストへ参加できるようになるから」、アブダビGPまでに2011年の契約をまとめたいと語っていた。
こういった背景から、マルドナードが2011年にウィリアムズでF1デビューを果たすのは間違いないとの意見が有力だ。しかし、ヒュルケンベルグのマネジャーであるウィリ・ウェバーは、『DPA通信』へ次のようにコメントした。
「憶測とは違い、ニコはすでに“シートを失った”わけではない」
「ウィリアムズとの交渉は続いているが、もちろん別の選択肢もある」
「第一候補はウィリアムズだ。ぜひとも残留したい。だが、2011年にニコがF1でレースシートを得ることが何よりも重要だ」
そして意外なことに、ウィリアムズがヒュルケンベルグの放出を検討していることに対し、ウェバーは理解を示している。
「アダム・パー(チーム会長)には、数百人の従業員に対する大きな責任がある。彼は、チームの健全な運営を最優先に考えなければならない」