F1チームが、2011年からFダクトを禁止することに合意したようだ。
Fダクトは、マクラーレンが他チームに先駆けて導入したシステムだが、リアウイングに作られたすき間から空気を放出することでウイングをストールさせ、ストレートラインでのスピードを向上させるものだ。
当初、このシステムはレギュレーションに違反している可能性があるとされたが、開幕戦でこれが違反ではないと確認され、現在はライバルチームが同じようなシステムの導入に向けて開発を急いでいる。
しかし、このシステムについては、開発コストが高騰する可能性が高いこと、そして安全面でも懸念があったため、否定的な意見も出ていた。
『Autosport(オートスポーツ)』の報道によると、F1チームが組織するFOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)は9日(日)に会議を行い、過半数のチームが賛成したことで、2011年からFダクトを禁止することが決定したようだ。
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、安全面に大きな懸念があることを認め、『Autosport(オートスポーツ)』へこう語っている。
「今週末には、手ではなく指先でドライビングしているドライバーもおり、いくつかのシステムはギリギリの状態だと思われる。それなので私は、安全面とコストの問題を考慮すべきだと思う」
ホーナーが語るように、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は左手の甲でFダクトを操作しており、Fダクト操作時に左手は指先でステアリングに触れているだけになっているのがオンボードの映像で確認できた。
また、メルセデスGPのニック・フライCEOは、FダクトがF1以外では利用しにくい技術であることが反対の理由だと示唆した。
「他の分野でも利用できるものを奨励すべきであり、そういった意味から、個人的にはKERS(運動エネルギー回生システム)を強く支持している」とフライは語った。