F1界の最高権威バーニー・エクレストンは、来月のスペインGPがキャンセルになる可能性を否定した。
アイスランドでの火山噴火の影響から、ヨーロッパ各地の空港が閉鎖されたため、今週末にツインリンクもてぎで予定されていたMotoGPが延期になることがすでに発表されている。
ヨーロッパ各地を飛行機で移動するプロスポーツ界にも大きな影響が出ており、選手が移動できなくなったり、試合が延期になったりするなど影響が大きくなってきている。
だが、F1にとってはありがたいことに、次戦スペインGPの開幕までは3週間の猶予があるため、しばらくは事態の進展を見守ることが可能だ。
しかし、ジャンボジェット6機分あるF1の貨物はまだ中国にあり、今のところはいつ移動できるか決まっておらず、F1マシンを含めた各チームの機材がいつファクトリーへ戻ってくるのか予測もできない状態になっている。
プライベートジェットを所有しているものの、ヨーロッパへ戻ることができずにいるエクレストンは、『The Times(タイムズ)』へこう話した。
「一番の問題は、エンジンを戻すことだ。エンジンについては作業を行う必要があるからね」
「だが、すべてうまくいくと確信している」
さらにエクレストンは、別のメディアへ「スペインGPがあることは分かっている、どこでやるのか分かっていないだけだよ」とジョークを言い、自身の代替案は「自殺すること」とも話しながら、次のように加えた。
「スペインGPをキャンセルすることはない。もちろん、みんな影響を受けているが、なんとか家に帰る方法を見つけられるだろう」
実際には、高価な方法にはなってしまうが、スタッフの移動は機材の輸送よりも問題が小さい。フェラーリやマクラーレンなど数チームは、プライベート機を20日(火)か21日(水)にチャーターし、まだいくつかの主要空港で着陸ができるスペインへ飛ぶことになっている。その後、バスでそれぞれのチーム本拠地へ戻ることになるようだ。
また、ヨーロッパへのフライトがあることを願いつつ、いったんドバイやアメリカに移動してから家路につくことを目指しているグループもいる。さらに上海のパドックでは、シベリア鉄道を使うという案まで出ていた。
だが、今回の混乱もようやく収束の可能性が見えてきている。ブリティッシュ・エアウェイズ、エール・フランス・KLMなどは問題なくテストフライトを完了させており、ニキ・ラウダの航空会社もウィーンからザルツブルクまでのテストフライトを行った。
「青空が広がっていて、これまでで最高のフライトだった。なぜこんな大騒ぎになっているのか理解できない」とラウダはコメントしている。