FIA(国際自動車連盟)の元会長、マックス・モズレーは、F1チームの予算がまだ非常に高額であることを懸念している。
「2008年の1月に私は、コストを削減しなければ、問題が発生するのは弱小チームだけではなくなると警告していた」とモズレーは語った。
「それが現実となった。予算が不釣り合いで、ホンダ、BMW、トヨタ、ルノーが撤退した」
「これは、まだ続いており、私は心配している」とモズレーは明かした。
「危機の危険性が、短期的になっている」とモズレーは主張している。「今は素晴らしいシーズンを送っているが、将来は厳しくなるとみている」
「2011年は1億ドル(約83億円)が必要だ。そのうちの3000万ドル(約25億円)か4000万ドル(約44億円)をバーニー・エクレストンが出すだろう。スポンサーかドライバーらが、約2000万ドル(約16億円)から2500万ドル(約20億円)を出すと思われる。残りの部分で、どこから(お金が)出てくるのか疑問に思うチームが6つある」
「2つまたは、3つのチームがなくなるのは十分あり得る」と警告した。
モズレーがFIA会長だった頃の最後の仕事が、低予算でF1のグリッドに新しいチームを入れることだった。結果、ロータス、ヴァージン、ヒスパニア・レーシング(HRT)が参戦したが、競争力不足から批判されることとなった。
「(批判に)同意できない」とモズレーは言う。「彼らには、進歩する時間を与える必要がある」
「ヴァージンの開発は、革新的なものだった。彼らは、風洞を使用しないでクルマを作った。これはマクラーレンなどに対しての警鐘だ。なぜなら、彼ら(マクラーレン)は小さな町を運営しているように、風洞を使っているからだ」
「一方、ヴァージンはコンピュータ上のシミュレーションだけで、クルマを開発した。作られたマシンは、わずか2、3秒遅いだけだった」
「誰も、風洞のばく大なコストが正当化されることに、異議を唱えることはできないだろう」
すぐそこに迫っている危機の応急処置は、2012年と2013年の予算制限を導入することだとモズレーは言う。そして、チームに倹約するよう要求することだと語った。