マクラーレンとメルセデス・ベンツのワークス関係解消は、マクラーレン側から申し出たことだった。マクラーレン・グループ会長ロン・デニスがこう明かした。
マクラーレンの前チーム代表であるデニスは現在、マクラーレンの市販車部門を率いているが、メルセデスのモータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグは最近、マクラーレンの市販車プロジェクトについて「われわれの道とは異なっており、友好的な解決法を見いだした」と語っていた。
デニスはメルセデスとのワークス関係解消の理由について、メルセデスのコントロールから独立することをマクラーレンが望んだためだと説明している。
「われわれが(関係解消を)申し出た。われわれは独立したかったんだ。われわれが関係していなかったという意味ではない」とデニスは『Arabian Business(アラビアン・ビジネス)』に語った。
だが、今回の関係解消により、メルセデスはブラウンGPを買収してメルセデスGPにしたため、メルセデスにとっても良いものだったとして、デニスはこう加えた。
「最高な取引だとは言わないが、ウィン-ウィンな状況だった」
「彼らは望んでいたもの、完全に支配できるグランプリ・チームを得た。そしてわれわれは、今後もエンジンの供給を受け、われわれの製品を宣伝し、マクラーレンのブランドを作り上げることができた」
メルセデスはマクラーレンの株式40%を保有していたが、デニスによると、マクラーレンを完全に支配することをメルセデスは望んでいたようだ。
「彼らはより多く(の支配権)を求めていた。だがわれわれは、彼らの支配力を弱めたかった」
「何が起きたか見れば分かるだろう。彼ら(自動車メーカー)が支配することは、必ずしも生産的なことではない」
マクラーレンはすでに、メルセデスが保有していた株式のほとんどを買い戻している。