フェラーリのチームオーダーが大論争の的に

2010年07月27日(火)
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ドイツGPで事実上のチームオーダーを発令したフェラーリと、それによって勝利を譲られたフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)にメディアの注目が集まっているが、レギュレーションの問題点も指摘されている。

レース後の記者会見では、2008年のシンガポールGPで当時ルノーに所属していたアロンソが、F1では禁止されているチームオーダーによって優勝していたことを指摘しながら、アロンソは「汚い」選手権を勝ち取ることになる可能性があると警告するリポーターもいた。

「それはあなたの意見だよ」とアロンソは返している。

過去には、ナンバー2ドライバーがピットへ戻り、自身のクルマをナンバー1ドライバーに差し出すこともあった。F1で昔からチームオーダーが存在していたことは、紛れもない事実である。

「今回は、やり方が非常にまずかっただけだ」とロータスのマイク・ガスコイン(チーフテクニカルオフィサー)も語る。

ドイツGPのレース中、担当エンジニアがマッサに対し、申し訳なさそうな口調で、間接的な言葉を使ってアロンソにポジションを譲るよう指示していた。各国のメディアが大々的にこの件を取り上げるのは、予想されたことであった。

「パドックにいるメディアが、僕たちの警察のようになっていてくれてうれしいよ」と元F1ドライバーのアレキサンダー・ブルツは語った。

『Sunday Express(サンデー・エクスプレス)』紙は、フェラーリとアロンソのことを「汚らわしい盗っ人のいかさま師」と呼び、『Telegraph(テレグラフ)』紙は8月の世界モータースポーツ評議会でフェラーリが選手権からの失格処分を受ける可能性もあると報じた。

また、「数戦の出場禁止という可能性もある」と『Daily Mail(デイリー・メール)』紙は指摘する。

アロンソは、マッサへの指示があったことを知らなかったと主張したが、この主張には「誰もだまされない」と『The Independent(インディペンデント)』紙は書いた。

F1で3度チャンピオンに輝いているニキ・ラウダも、チームオーダーによって優勝できたことを否定したアロンソを非難。「ドライバーがあんなたわごとを言い放つのを聞いたことがない。彼には品性というものがない」とラウダは加えた。

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