突然のアメリカGP復活発表に戸惑うF1界

2010年05月27日(木)
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テキサス州オースティンで2012年までアメリカGPが開催されるという発表に対し、F1界からはさまざまな反応が出てきている。

イギリスの『The Sun(サン)』紙は、次のように復活を歓迎するウィリアムズのチームCEOアダム・パーのコメントを掲載していた。

「F1は世界的なスポーツであり、アメリカでのレースがないというのは、カレンダーに大きな穴が開いているような状態だった。われわれのパートナーも感激するだろう」

だが、テキサス州の州都であるオースティンのどこにサーキットが建設されるのか、ドニントン・パークが開催に失敗する中、なぜオースティンが契約を勝ち取れたのかなど、詳細はまだ明らかにされていない。

マクラーレンのマネジングディレクターであるジョナサン・ニールも26日(水)、次のように電話会見で語っていた。

「もしこれが現実になり、実現できるのならば、素晴らしいことだ」

『The Times(タイムズ)』紙の記者ケビン・イーソンも「一度ドニントンに噛(か)みつかれているのだから、2度目は憶病になるものだ」と慎重な姿勢を見せている。

また、アメリカGPの前開催地インディアナポリスの新聞『Indy Star(インディ・スター)』のブログには、「実際にこの目で確かめるまで信じない」とも書かれていた。

ドイツの『SID』通信は、今回のニュースが「喜びと疑念」の引き金になったと報じている。

ニューヨークでの開催契約が結ばれる間近だと報じられている最中に突然出てきたこのニュースには、オースティンの主要紙『American-Statesman(アメリカン・ステイツマン)』も信じられない様子で、次のように報じた。

「モンテカルロ、イスタンブール、バルセロナ、モントリオール、オースティン? どうなるかな」

『American-Statesman(アメリカン・ステイツマン)』はさらに、コストや資金源、そして「なぜ他の候補地が契約できない中でオースティンのプロジェクトが成功したのか」など、詳細がほとんど明かされていないことも指摘している。

インディ500の開催地としても有名なインディアナポリス・モーター・スピードウェイが2000年から2007年までアメリカGPを開催していたが、スポークスマンのフレッド・ネイションは次のようにコメントした。

「数年間の間、われわれはF1で最大の観客を集めていた」

「観客数という面から見れば、成功だったのだ。結局のところ、われわれは自分たちに意味のあるような商業契約を結べなかったということだ」

オースティンのF1開催でプロモーターになるのがタボ・ヘルムンド。ヘルムンドの会社フルスロットル・プロダクションズはオースティン以外ではほとんど知られておらず、ヘルムンド自身もまだ土地を買い取っていないことを認めているが、3つの候補地を検討していると語る。

テキサス・モーター・スピードウェイ(TMS)のエディー・ゴセージ会長は、ヘルムンドが抱えた仕事は非常に困難なものだとして、こうコメントした。

「この施設(TMS)のコストは約2億5,000万ドル(約225億円)だ」

「(F1サーキットは)それ以上だろうな」

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