ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)が、2010年シーズンの序盤は、ピットインする場所を間違えないように気をつけるとジョーク交じりに語っている。
昨年までの14年間、シューマッハはフェラーリのピットがわが家だと言っていたが、今シーズンのピットストップでは、赤いウエアを着たフェラーリのクルーではなく、シルバーのウエアに身を包んだメルセデスGPのクルーを探すことになる。
「気をつけないとね。フェラーリの連中は僕のクルマに、晴れているのに雨用のタイヤを装着するかもしれない」とシューマッハは『Bild(ビルト)』紙のインタビューで冗談を言っていた。
フェラーリの熱狂的ファン“ティフォシ”や、イタリアのメディアでは、シューマッハを「裏切り者」と呼ぶ声もあり、シューマッハが初出演したメルセデス・ベンツのCMも不評だ。
メルセデスGPのチーム発表で公開されたこのCMの中でシルバーのレーシングスーツを着たシューマッハは、赤いスポーツカーからウインクしていた。
「まじめな話、フェラーリとの関係は常に良好だよ。レースでいつもやっているサッカーの試合にも招待してくれているしね」とシューマッハは語っている。
またシューマッハは今週、フェラーリのステファノ・ドメニカリ(チーム代表)からフェラーリのメディアイベントにも招待されていたと明かし、こう加えていた。
「分かち合った素晴らしい瞬間を忘れることも、否定することもできない。今でもよく連絡を取り合っているし、ステファノもしょっちゅう電話してくる」
だがシューマッハは、メルセデス・ベンツとの関係が長期的なものになる可能性もある。
すでに3年契約を結んでいるシューマッハだが、「3年後に終わらせる必要もない」と『Bild(ビルト)』紙へ語っている。