2010年に最速のクルマを造れなかったメルセデスGPが、ピットのクルーが行ったピット作業は最速だった。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』がまとめた統計によると、メルセデスGPのピット作業はどのチームよりも速かった。
今年はレース中の給油が禁止されたことから、タイヤ交換のみのピット作業となり、そのスピードに注目が集まっていた。2010年シーズン中に記録された最速のピットストップは、タイトルを獲得したレッドブルのクルーがセバスチャン・ベッテルのピット作業で出したものだった。それはイタリアGPで記録されたもので、タイムは2.9秒だった。
しかし、メルセデスGPはマレーシアGP、トルコGP、ドイツGP、中国GP、スペインGP、モナコGP、イギリスGP、ベルギーGPで最速ピット作業を行っており、シーズン全体で見ると、メルセデスGPのピット作業が最速だった。
これに続くのがレッドブル。バーレーンGP、オーストラリアGP、ハンガリーGP、イタリアGP、アブダビGPで最速だった。
このほか、フェラーリが3回、ザウバーが2回、マクラーレンが1回記録している。
メルセデスGPは今シーズン、完全に自動化された信号システムをピット作業に導入しており、「ロリポップ」と呼ばれる指示板を使った従来のシステムよりも、最大で0.5秒のタイム短縮を達成しているという。
またレッドブルは、昨冬にテストやトレーニングを繰り返した上でタイヤ交換の要員を決定し、心理テストを勝ち抜いた者にロリポップを持たせていた。
その一方、2010年に最もピットストップが遅かったのはロータス。5戦でピット作業が最も遅かった。4戦で最も遅いピット作業を記録したヒスパニア・レーシングとルノーがこれに続いている。