フェラーリの1-2フィニッシュで幕を閉じたドイツGPだが、フェラーリがF1では禁止されている「チームオーダー」とも受け取れる指示をドライバーへ出していた。
ドイツGPのスタートでは、ポールポジションを獲得していたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が出遅れ、フェリペ・マッサ(フェラーリ)がトップ、チームメートのフェルナンド・アロンソが2番手になり、フェラーリが1-2体制を築いた。
ピットストップ後もフェラーリの1-2体制は変わらなかったものの、アロンソがマッサに仕掛ける場面もあり、純粋なペースではアロンソの方が速いことがうかがえた。
その後もアロンソはマッサを抜くことができなかったが、3番手ベッテルがペースを上げ、アロンソとの差をつめ始めると、マッサの担当エンジニアであるロブ・スメドレイが、残念そうな口調でマッサへ次のように伝えた。
「フェルナンドの方が君より速い。理解したか? このメッセージの意味が分かるな?」
この無線連絡があった直後、ヘアピン後の短いストレートでアロンソがマッサを抜く。アクセル開度のグラフ付きのリプレイでは、マッサがヘアピンを立ち上がった後にストレートでアクセルを緩めていることが確認でき、マッサが意図的にアロンソへポジションを譲ったことは明白だった。