レッドブルのチームメート同士によるクラッシュが見出しを独占していたが、トルコGPで起きていたもう1つのチームメート同士によるバトルが大きな話題になりつつある。
セバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバー(ともにレッドブル)はクラッシュによって1-2フィニッシュを逃したが、ルイス・ハミルトンとジェンソン・バトン(ともにマクラーレン)もトップの座を争ってバトルをしており、実際にホイールが接触していたとも言われている。
だが、マクラーレンは燃料の節約を両ドライバーに指示しており、これはチームメート同士によるバトルを避けるために出された、事実上のチームオーダーだとの意見もある。
実際、「ジェンソンが近づいてきてるよ。もし僕がペースを落としたら、彼は僕を抜くの?」とハミルトンが無線でチーム側へ問いかけると、ハミルトンのエンジニアであるアンディ・レイサムが次のように答える様子がF1の公式ウェブサイトに掲載された動画で確認できる。
「いいやルイス、それはない」
さらに、ハミルトンに対しては燃料を節約するため、ターゲットになるタイムが設定されていた一方で、バトンはタイムを設定されていなかった。
「彼らはラップタイムを設定しなかった。燃料を少し節約する必要があると言ってきただけだよ」とバトンも認めている。
また、バトンがオーバーテイクを仕掛けられたのは、設定されたラップタイムが「遅かった」ためだとハミルトンは説明していた。
「ターゲットに合わせるため、僕はペースを落としていたんだけど、突然ジェンソンが僕のすぐ後ろについていたんだ」
「どこからともなく彼が僕の背後に迫ってきて、僕はどうすることもできなかった」とハミルトンはコメントしている。
結局、5つのコーナーにわたるバトルの末、ハミルトンがバトンを抜き返したものの、レッドブルのクラッシュで転がり込んだ優勝ということもあり、表彰台でのハミルトンの表情はすっきりとしないものだった。
レースから1週間が経過しマクラーレンは、ハミルトンとバトンがバトルを振り返るインタビューを発表した。
「終盤はトリッキーな状況だったよ。燃料がかなりギリギリの状態だっていうのは分かっていたんだけど、チームは僕たちにレースさせていたし、実際に僕たちはバトルをしたからね」とバトンはコメントしている。
一方のハミルトンは、このバトルによってキャリア12勝目の喜びが小さくなったことはないと語る。
「それはないよ。むしろ、勝利の喜びがさらに大きくなったと思う」
「これからも、ああいったレースをたくさん経験できることを期待している。タイトルヘ向けた戦いの中でフェアでありつつも、楽しめて、激しいバトルのあるレースをね」