【F1日本GP特集】初戴冠を目指すレッドブル 最大の敵はチーム内に

2010年10月06日(水)
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いよいよ10月8日(金)に開幕するF1日本GP。今回は、圧倒的な速さを見せながら、チーム内面の弱点が露呈したレッドブルの今シーズンについてまとめる。

・ダントツの速さを見せるレッドブル
F1は、巨大な力で地面へクルマを押し付けることで、信じられないようなスピードを出しながらサーキットを駆け抜ける。これには、空気の力を利用しているが、簡単に言ってしまえば、飛行機が空を飛ぶのと同じ原理である。飛行機はその力を上向きに使い、空を飛んでいるが、レーシングカーはその力を下向きに使うことで、より速いスピードでコーナーを走れるようにしている。

「空気力学」と呼ばれるこの分野で最も高い評価を得ているのがレッドブルのデザイナー、エイドリアン・ニューイだ。そのニューイが設計したレッドブルのクルマには今年、革新的な技術が数多く取り入れられ、シーズン序盤からレッドブルが圧倒的な速さを見せた。

・速さが結果につながらず
シーズン序盤からレッドブルが速さを見せたことで、今年のF1チャンピオンはレッドブルで決まりだとの見方も広がった。しかし、レッドブルは思わぬ形で足をすくわれることになる。クルマにトラブルが発生することが多く、その速さを結果につなげられなかったのだ。

また、ドライバー側の問題もあった。特にセバスチャン・ベッテルはミスや他車との接触が多く、もったいないところで優勝を逃してしまうこともあった。接触の多さについては、他チームの首脳からも「クラッシュ小僧」と非難されるほどだった。そして、あるレースでは、この接触が大きな話題になった。

・チーム内での対立
第7戦のトルコGP、決勝でレッドブルのマーク・ウェバーとベッテルは、トップと2番手を走行していた。しかし、2番手を走るベッテルがウェバーを抜こうとした際に両者は接触。結局ウェバーは3番手まで順位を落とし、ベッテルはその場でリタイアになってしまった。

しかしその直後、ベッテルが「頭がおかしいんじゃないのか?」と解釈できるようなしぐさを見せていたことや、チーム首脳がウェバーのみを非難するコメントを出したことから、レッドブルで内紛が始まったと大きな話題になった。その後、クラッシュについては和解した両者だが、特に親しい仲ではないとお互いに認めている。

クルマの速さはトップだと言えるレッドブル。それだけに、チームメートに勝てばチャンピオンになる可能性が非常に大きくなる。今シーズン、チームメート同士で最も激しい戦いを繰り広げているのがレッドブルだと言える。なお、ウェバーとベッテルのどちらがチャンピオンになっても初のF1チャンピオン獲得。チームとしても初のチャンピオンということになる。

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