小林可夢偉(ザウバー)が、日本GPではミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)の「前に出る」ことが目標だと語った。
今シーズンは、なぜかシューマッハとバトルになることが多い可夢偉。3日(日)に行われたモータースポーツジャパンのトークショーに出演した際、同じくトークショーに出演していた近藤真彦氏からシューマッハとのバトルについて質問されていた。
「最近はその(シューマッハのいる)集団の一番後方にいることがよくありますが、いままでレースしてきて、経験してきた以上に、みんなかけ引きがうまいですね。まあ、シューマッハの場合は、若干汚い場合もあるんですけど(笑)」と可夢偉が答えると、会場は笑いに包まれた。
その一方で可夢偉は、「バリチェロ(ルーベンス・バリチェロ/ウィリアムズ)とか、本当にうまいです。そういう人たちの後ろを走って、僕が1年目から経験できるというのは、幸せだと思いますし、これから先にそういう経験をしっかり使えればと思います」とベテラン勢からきちんと学習していることを明かした。
しかし、前戦シンガポールGPでは、可夢偉がシューマッハをイン側から抜こうとしたものの、両者は接触していた。また、可夢偉のチームメートニック・ハイドフェルドもシューマッハと接触し、リタイアすることとなった。
この件については、「前回は完全にやられました。完全にやられました!」と2回繰り返すほど悔しさをにじませ、次のように語った。
「チームのみんなで、“とりあえずシューマッハがすべて問題だ。予選ではシューマッハの前に行けばオーケー”(という話になった)。それだけが次の課題です」
「(日本GPでは)シューマッハの前に出ることだけが大事です。それだけできていれば、日曜(決勝)は安心して見ていただいていいです」
昨年は日本GPのフリー走行に出走していた可夢偉。しかし、フリー走行のみの出走だったため、実際に日本GPでレースを走るのは今年が初めてになる。
その日本GPに向けて可夢偉は、「初めての日本GPなので、いろんな部分で楽しみです。いいレースをして、日本人が世界で戦えることをみんなと共感していきたい」と意気込みを語っていた。