2011年からのF1タイヤサプライヤーの座をめぐる争いでは、ミシュランが脱落寸前になっており、ピレリに決定することがより濃厚になった。
「2011年へ向けた開発時間が、大きな影響を受けてしまったように思われる」ミシュランのマネジングパートナーであるディディエ・ミラトンは、ル・マンで『L’Equipe(レキップ)』へこう語った。
その一方で、ピレリの競技責任者ポール・ヘンベリーは、カナダGPが行われていたモントリオールを訪れており、F1チームが組織するFOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)と話し合いを行っていた。
また、数日前には契約書が完成し、F1の商業権保持者の代表になっているバーニー・エクレストンがサインしたとみられている。残されたハードルは、統括団体FIA(国際自動車連盟)の法務部門によるサインだけであるようだ。
ミラトンは、ミシュランがすでに契約へ向けた競争から離れたことを示唆し、次のようにコメントした。
「来年に向けた期限を考えれば、すでに遅すぎるだろう。われわれは、微力ながら協力できればと思ったが、ものごとの進み具合を見ていると、悲観的になってきた」
また、複数のタイヤサプライヤーによる供給を認めるようルールを変更し、F1にタイヤ戦争を復活させるという動きを広められなかったこともミシュランにとっては大きな壁となった。
「1メーカーしかいなければ、競争がなく、進歩も楽しみもない。メーカーへの興味も低くなる」とディディエは加えた。