メルセデス・ベンツはエンジン供給チームを増やすべきではない。メルセデスGPのチーム代表ロス・ブラウンがこう語った。
『Auto Hebdo(オート・エブド)』によると、メルセデスは7日(月)に取締役会を開き、2011年に4チームへエンジンを供給することが話し合われたという。
現在メルセデスは、ワークスチームであるメルセデスGPの他にも、マクラーレンとフォース・インディアへエンジンを供給している。
今シーズンの開幕前、レッドブルがルノーエンジンからメルセデスエンジンへの変更を希望していたが、これは当時メルセデスの独占F1パートナーだったマクラーレンが拒否権を行使したために実現しなかった。
しかし、その後マクラーレンとメルセデスは独占パートナーという形での提携を解消したため、メルセデスは来年、自由にレッドブルと契約することができる。
だが、ブラウンは『Autosprint(オートスプリント)』誌へこう語った。
「エンジンの供給については、限界になっている」
「カスタマーリストにもう1チーム加える前に、長時間にわたって、きちんと検討するべきだ」
圧倒的な速さを見せるレッドブルのシャシーに、F1で最高と言われるエンジンが搭載されるのをブラウンが懸念しているだけとも考えられるが、「コスワースのような独立系企業がエンジンを販売できるはずだ」ともブラウンはコメントしている。
また、メルセデスのエンジンが必ずしもF1で最高なものとは限らないとして、ブラウンは次のように加えた。
「その面(馬力)で、われわれが実際にどの位置にいるのかは分からない。だが、他にも影響力のある部分はある。冷却や燃料消費、そしてドライバーの操作に対してエンジンがどのように反応するかも考慮する必要がある」
「ルノーのエンジン部門の責任者が最近、(ルノーのエンジンは)多少パワーが劣っているかもしれないが、他の分野では最高だと言っていた」
だが、レッドブルがメルセデスエンジンへの変更を希望しているとのうわさは、今でも消えていない。
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーも、『Motor21』へこう語っていた。
「もし、(ルノーエンジンの馬力に関する)問題が解決されれば、変更する理由はなくなるだろう」