トルコGPで通算12勝目を記録したルイス・ハミルトン(マクラーレン)だが、優勝トロフィーを受け取った際の表情は歓喜に満ちていると言えるものではなかった。
ハミルトンがトップを走行中、2番手につけていたジェンソン・バトンがハミルトンにオーバーテイクを仕掛け、両者は抜きつ抜かれつの激しいバトルを展開していた。
しかし、ハミルトンが不満に思っているのはバトンが仕掛けてきたことではなく、その直前にあったピットからの指示を不満に思っているようだ。
結局はバトンとのバトルでポジションを守ったハミルトンだが、チームから燃料を節約するよう指示されたことでバトンに追いつかれたと語っている。
「僕にとっては連絡がはっきりとしていなかった」
「“これだけ燃料を節約するように”って言われたけど、バカらしいほど遅く走らなきゃ簡単には節約できなかった」
「言われた通りに節約しようとしていたら、突然どこからともなくジェンソンが現れたんだ」とハミルトンはコメントした。
だが、マクラーレンはバトンにも燃料の節約を指示しており、ハミルトンにオーバーテイクを仕掛けたのは燃料の節約を指示された後だったとバトンも認め、こう続けた。
「あの後、完全なセーブモードに戻ったよ」
だが、この燃料節約の指示は、チームメート同士でバトルをして1-2フィニッシュを逃すリスクを避けるため、マクラーレンがドライバーに出した、遠まわしなチームオーダーだとの見方もある。
その一方、チームメート同士のバトルによって大きな代償を支払ったレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、マクラーレン勢の走りをレッドブルの2人も見習うべきだと語っている。
「同じチームにいるドライバーを抜きにかかるのなら、もう少し敬意を払い、相手にスペースを空けることが重要だ」とホーナーは述べた。
また、レッドブルのマーク・ウェバーとセバスチャン・ベッテルのクラッシュを特等席で見ていたハミルトンは、このクラッシュの責任はベッテルにあるという意見を強く支持し、こう語った。
「彼は僕に対しても、マークにしたこととまったく同じことをした。あれは危険だよ。とても素早く、とてもアグレッシブに僕の方へ向かってきたんだ。幸いなことに、僕には十分なスペースがあったけどね」