2010年トルコGPレースレポート

2010年05月30日(日)
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2010年F1第7戦トルコGPが5月30日(日)、イスタンブール・パーク・サーキット(1周/5.338km、5月30日決勝58周/309.396km)で3日目を迎え、現地時間15時(日本時間21時)から決勝が行われた。

前日に行われた予選では、マーク・ウェバー(レッドブル)がポールを獲得。レッドブルとしては、開幕から7戦連続のポール獲得となった。今回は新シャシーで戦っているセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、アンチロールバーのトラブルでポール獲得を逃し、3番手となった。また、小林可夢偉(ザウバー)が10番グリッドを獲得している。

レース開始時の天候は晴れ、気温28℃、路面温度は48℃。スタートでベッテルがルイス・ハミルトン(マクラーレン)を抜いたものの、その直後にハミルトンがベッテルを抜き返して2番手を奪還。しかし、ピットストップでハミルトンはベッテルに抜かれてしまった。

レッドブルの1-2、マクラーレンが3番手、4番手になると、この4台が同じようなギャップをたもちながら他のクルマを引き離していく展開に。しかし、40周目目にバックストレートでベッテルがウェバーを抜こうとして接触。これでマクラーレンの1-2になり、ベッテルはリタイア。ウェバーは3番手に後退した。

その後、マクラーレンもチームメート同士でのバトルを繰り広げたものの、こちらはクラッシュすることなくハミルトンがトップを守った。結局、そのままマクラーレンが1-2を達成。ハミルトンが今季の初優勝を記録した。なお、小林可夢偉(ザウバー)が10位に入り、今季初のポイント獲得を達成している。

2位から10位までの結果は次のとおり。

2位ジェンソン・バトン(マクラーレン)、3位マーク・ウェバー(レッドブル)、4位ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)、5位ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)、6位ロバート・クビサ(ルノー)、7位フェリペ・マッサ(フェラーリ)、8位フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、9位エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)、10位小林可夢偉(ザウバー)までがポイントを獲得した。

このレースのファステストラップを記録したのはビタリー・ペトロフ(ルノー)。57周目に記録したもので、タイムは1分29秒165だった。

【レースレポート】
スタートでベッテルが2番手スタートのルイス・ハミルトン(マクラーレン)を抜いたものの、その後ハミルトンがベッテルを抜き返し、ハミルトンが2番手を守って1周目を終えた。2周目の1コーナーで可夢偉がエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)に抜かれたものの、可夢偉はスーティルの背後につけ、スーティルへプレッシャーをかけている。

ハミルトンに比べると、トップを走るウェバーのペースが上がらず、ハミルトンはウェバーのコンマ数秒後方につけて追いかける展開に。5番手ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)から12番手フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)まで各車が接近して長い隊列になっている。

11周目、可夢偉がピットイン。次の周にはアロンソもピットへ。これをきっかけに、中団グループのドライバーが次々にピットインした。可夢偉はアロンソに抜かれてしまったが、スーティルを抜くことに成功している。

15周目、3番手ベッテルがピットイン。次の周にはウェバーとハミルトンが同時にピットインした。ピット作業後にウェバーが通り過ぎるのを待たなければならなったハミルトンがタイムを失い、ベッテルがハミルトンの前に出た。トップに立っていたジェンソン・バトン(マクラーレン)が18周目にピットインし、4番手でコースへ復帰。レッドブルが1-2、マクラーレンが3番手、4番手になった。

18周目、ターン12へのブレーキングでハミルトンがベッテルの横に並ぶ。しかしハミルトンは止まりきることができず、ベッテルを抜くことはできなかった。その後もレッドブルの2台はマクラーレン勢を引き離すことができず、トップのウェバーから4番手バトンまでのギャップが約2.5秒という接近戦になっている。

レース中盤はトップの4台がそれぞれファステストラップを更新しながら、同じようなギャップをたもって周回を重ねていった。

40周目、ベッテルがウェバーの横に並んだが、ウェバーとベッテルが接触。ベッテルはスピンし、クルマを降りてしまった。これでマクラーレンの1-2になった。バックストレートで一度ウェバーが右へラインを変え、ベッテルがウェバーの左に入ったところで2台が接触していた。

43周目にウェバーはピットへ入り、タイヤとフロントノーズを交換。少し前からぱらぱらと降り始めていた雨が、やや強くなってきている。また、ベッテルがリタイアしたことで、11番手につけていた可夢偉がポイント圏内の10番手に浮上した。

48周目にはバックストレートでバトンがハミルトンの横に並び、一時はバトンがハミルトンを抜きながら、ターン12から次の周の1コーナーまでサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げる。しかし、結局はハミルトンがトップを守った。また、可夢偉がスーティルに抜かれて11番手に後退している。

55周目、アロンソに抜かれたビタリー・ペトロフ(ルノー)がパンクして後退。これで可夢偉が再びポイント圏内に浮上した。

結局、マクラーレンが1-2体制を維持したままレースは終了。可夢偉は10位に入り、今季初のポイント獲得を達成した。

F1サーカスは、次戦の舞台である北米大陸へ移動する。2010年F1第8戦カナダGPは、6月11日(金)現地時間10時(日本時間23時)に開幕。決勝は13日(日)現地時間12時(日本時間14日1時)にスタートする。

1 L.ハミルトン マクラーレン 1’28:47.620
2 J.バトン マクラーレン +2.6
3 M.ウェバー レッドブル +24.2
4 M.シューマッハ メルセデスGP +31.1
5 N.ロズベルグ メルセデスGP +32.2
6 R.クビサ ルノー +32.8
7 F.マッサ フェラーリ +36.6
8 F.アロンソ フェラーリ +46.5
9 A.スーティル フォース・インディア +49.0
10 小林可夢偉  BMWザウバー +1’05.6
11 P.デ・ラ・ロサ BMWザウバー +1’05.9
12 J.アルグエルスアリ トロ・ロッソ +1’07.8
13 V.リウッツィ フォース・インディア 1lap(s)
14 R.バリチェロ ウィリアムズ 1lap(s)
15 V.ペトロフ ルノー 1lap
16 S.ブエミ トロ・ロッソ 1lap
17 N.ヒュルケンベルグ ウィリアムズ 1lap
18 T.グロック ヴァージン 3lap(s)
19 L.ディ・グラッシ ヴァージン 3lap(s)
20 K.チャンドック HRTF1 6lap(s)
21 B.セナ HRTF1 12lap(s)
22 S.ベッテル レッドブル 19lap(s)
23 H.コバライネン ロータス 25lap(s)
24 J.トゥルーリ ロータス 26lap(s)

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