メルセデスGPが、ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)にペナルティーを科したスチュワードの判断に控訴しないことを決定した。
統括団体FIA(国際自動車連盟)の規定に従い、メルセデスGPは裁定が発表されてから1時間以内に控訴の意志を表明。正式な申請は48時間以内に提出する必要があった。
しかし、18日(火)に発表された声明の中でメルセデスGPは、「この結果には満足できない」としつつも、「F1の利益を考慮し」スチュワードの判断に控訴しないことを決めたとしている。
メルセデスGPは、チームがシューマッハとチームメートのニコ・ロズベルグへ最終コーナーで追い抜きができると伝えた理由をFIAも把握しており、他にも多くのチームが同じ意見を持っていると加えた。
また、次回のスポーティング・ワーキング・グループの会議では、このルールの解釈が話し合われるようで、20秒加算というペナルティーが「不均衡」だとするメルセデスGPの意見を聞くことにFIAが合意しているという。
さらにメルセデスGPの声明には、モナコGPでスチュワードを務めていたデーモン・ヒルが、元ドライバーが投票権のあるスチュワードを務めるというコンセプトに「違和感」を感じていると報じられた件に言及したと思われる部分もある。
1996年のチャンピオンであるヒルは、現役時代にシューマッハの宿敵であったことが知られているが、ヒルが偏見を持って判断を下したと考える者から「嫌がらせのメール」が送られてきたと18日に語っていた。
「メルセデスは元ドライバーがスチュワード団に加わることを完全に支持しており、モナコGPのスチュワードがプロフェッショナルとして、公平かつ適切にこの件を処理したことに満足している」と声明には書かれていた。