メルセデスGPのロス・ブラウン(チーム代表)は、来週末のスペインGPで完全版のFダクトシステムを導入できない可能性があると認めた。
Fダクトは、ストレートラインでのスピードを向上させるためのシステムだとされているが、中国GPでメルセデスGPは、空気の取り入れを調整できないシステムをテストしていた。
マクラーレンではドライバーがFダクトから取り入れる空気を調整しているとされるが、メルセデスGPが中国GPでテストしたシステムはドライバーによる操作はできず、高速走行時にリアウイングのすき間から空気をはじき飛ばすような形になっているとみられる。
「今はまだ、きちんとしたシステムにすることに取り組んでおり、バルセロナかイスタンブールで導入することになる。モナコに投入する意味はない」
「きちんと機能させるのは非常に複雑だ」とブラウンは語った。
フェラーリも中国GPでFダクトシステムをテストしており、メルセデスGPと同じような開発段階にあるとみられている。
「僕たちはFダクトに取り組んでいて、バルセロナに向けてさらに進歩するよ。まだ確実ではないけどね」
「簡単なシステムではないけど、できるだけ早い段階で導入できるように、チームは懸命に取り組んでいる」とフェラーリのフェルナンド・アロンソは『Marca(マルカ)』紙へ語っていた。
また、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌によると、ザウバーも中国GPでテストしたものからさらに改良を進めたシステムをスペインに持ち込むようだ。
一方で、ウィリアムズは中国GPでFダクトをテストした際に問題を抱えていたが、テクニカルディレクターのサム・マイケルはすぐに修正できるとは思っていないようだ。
「きちんと機能させるには、2、3ヶ月かかると思う」とマイケルはコメントした。