さまざまな方法でヨーロッパを目指すF1サーカス

2010年04月21日(水)
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上海でチェッカーフラッグが振られてから2日以上が経過したが、F1界はいまだにヨーロッパへ戻るため大騒ぎの状態だ。

アイスランドでの火山噴火による火山灰も数日以内にヨーロッパ上空から消え、多くの旅行者が帰宅できる可能性も見えてきたが、F1関係者はファクトリーや家族のもとへ帰るため、複雑な旅を始めている。

イギリスへ向かうマーク・ウェバー(レッドブル)は、中国からドバイへ飛び、その後ローマへ移動、そして20日(火)の朝にニースで目を覚ましていた。

ウェバーより大掛かりなルートでヨーロッパを目指しているグループもいる。ハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)などは、上海、北京、ニューヨークを経由してマドリッドを目指す。

母国インドへ帰国したカルン・チャンドック(ヒスパニア・レーシング)のように、大きな影響を受けなかった関係者もいる。ジェンソン・バトン(マクラーレン)とニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)はタイで休暇を過ごし、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)はスポンサーイベントに参加するため南アフリカへ飛んだ。

ザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーはビジネスをこなすために、ドバイと日本へ向かっている。

しかし、ニコ・ヒュルケンベルグ(ウィリアムズ)を含めた大多数の関係者はいまだに上海におり、祈るような視線でフライトのスケジュールを見つめている。セバスチャン・ベッテル(レッドブル)などは、20日(火)にスイスへの直行便に乗れることを願っていたようだ。

そんな中ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)は、F1界では誰と知り合いであるかということが最も重要であることを証明した。シューマッハは、F1最高権威バーニー・エクレストンのプライベート機をヒッチハイクすることに成功したのだ。

しかしエクレストンとシューマッハも、ヨーロッパへ飛ぶための許可を待っている状態なようだ。

メルセデスのモータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグとティモ・グロック(ヴァージン)は、19日(月)の夜にヨーロッパへ向かうルフトハンザのフライトにシートを確保したと報じられている。

また、フェラーリのステファノ・ドメニカリ(チーム代表)とアルド・コスタ(テクニカルディレクター)もヨーロッパへの直行便に乗ることができたようだ。

フェラーリのフェリペ・マッサとフェルナンド・アロンソは、チームがチャーターした最初のフライトに乗った。その後の便も予定はされているものの、どこに到着するのか、まったく決まっていないという。

フェラーリエンジンを搭載するトロ・ロッソやザウバーと共同でチャーターするという案も出ているようだ。

アロンソの友人であるロバート・クビサ(ルノー)も、フェラーリがチャーターした最初のフライトに乗っていたようだ。クビサは今週、ラリーのラリー・ミッレ・ミリアにルノー・クリオで参加する予定。

『AS』紙の記者から、フェラーリの心遣いは2011年にクビサがアロンソのチームメートになる兆候なのかと質問されると、クビサは目をぐるぐるとまわしながら「もちろん、そうだよ、そのとおりだよ」と答えていた。

マレーシアの有力航空会社エアアジアのCEOトニー・フェルナンデスがチーム代表を務めるロータスは、クアラルンプールへ飛び、エアアジアのチャーター便が離陸するのを待っている。

マクラーレンがチャーターしたフライトは21日(水)に上海を出発する予定になっており、スペインに着陸した後は、バスで陸路イギリスまで長距離の移動を行う。

「もし十分な大きさのある飛行機なら、みんな乗りなと言えたんだがね」とマクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュはコメントしている。

ウィリアムズのパートナーである航空会社クラウド9もチャーター便を検討しているようだ。ウィリアムズでは、サム・マイケル(テクニカルディレクター)とアダム・パーパー(チームCEO)がドバイ行きの飛行機に乗ったものの、目的地がベイルートに変更されてしまったという。

F1を運営するFOM(フォーミュラワン・マネジメント)の飛行機はヨーロッパを出られずにいるが、数チームはクルマをヨーロッパへ戻す方法を模索していると言われている。しかし、船便での輸送する可能性はないようで、ハウグがこう語った。

「飛行機が必要だ。船では、バルセロナまで時間が足りない」

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