ビタリー・ペトロフ(ルノー)を、持ち込み資金によってシートを獲得した単なる“ペイドライバー”と表現するのは間違っている。ペトロフのマネジャー、オクサナ・コサチェンコがこう語った。
コサチェンコは、ペトロフが1,500万ユーロ(約18億円)の資金をルノーへ持ち込んでいることを認める一方で、ペトロフとルノーの関係は資金以上に深いものだとしている。
「ビタリーは資金によってF1に来たわけではありません。さまざまな企業による戦略的な関与と、ドライビングにおける彼の才能によってF1にたどり着いたのです」
「彼は正しいタイミングで正しい場所にいました。ルノーがアフトヴァース(ラーダの親会社)とのパートナーシップを拡大し、ロシアの生産を拡大させるタイミングでした」とコサチェンコは『WirtschaftsBlatt(ヴィルツシャフツブラット)』へ語った。
コサチェンコはさらに、「彼(ペトロフ)の父の友人が、資金的に」ペトロフを援助していることも認め、次のように加えた。
「ビタリーのキャリアの中では、チームがドライバーではなく彼の資金のみを求めていることに気付き、こちらからオファーを断ったこともあります」
「F1はビジネスです。チームの予算は2億ユーロ(約245億円)強で、(ルノー)グループは25%の株式しか保有しておらず、予算をまかなうことはできません」
「チームはロシアに参入しようとしており、彼らにとってはペトロフがカギになります。F1にとって、ロシアはまだ白紙のままの紙なんです」