フェラーリ、シーズン後半にチームオーダーの可能性

フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロ会長が、2011年シーズン後半になれば、チームオーダーを発令する可能性があると示唆した。

F1では、チームからの指示によって所属ドライバーの順位を入れ替えるチームオーダーがルールで禁止されていた。F1でチームオーダーが禁止されたのは、2002年のオーストリアGPで、フェラーリが発令したチームオーダーが原因だった。

このときは、当時のフェラーリドライバーであるルーベンス・バリチェロ（現ウィリアムズ）が、最終ラップの最終コーナーを抜けたあとに当時のチームメートであるミハエル・シューマッハ（現メルセデスGP）へ優勝を譲った。

これが、非常にあからさまな形で順位を入れ替えていたこと。そして、週末を通じて速さを見せ続け、終始レースをリードし、誰の目にも優勝して当然と思われたバリチェロが優勝しなかったこと。さらに、いくらシューマッハのタイトル獲得を確実なものにするためとはいえ、まだ第6戦というシーズンの早い時期であったことから、フェラーリは大きな非難を受けることになった。

これを受け、翌年からはチームオーダーの禁止がルールで明記されることになったが、その後も間接的な表現を使ったチームオーダーが存在しているのが実態だった。また、F1は各チームがばく大な予算を組んで戦うチームスポーツであることから、チームオーダーを完全になくすことは不可能だという意見もあった。

モンテゼモーロは、2002年オーストリアGPがチームオーダーを発令するには早すぎたことを認める一方、2010年のドイツGPでフェラーリが発令したチームオーダーは正当なものだと語っている。

「あれ（2002年オーストリアGP）は早すぎたと思う。だが、（2010年の）ドイツは別だ。フェルナンド（アロンソ／フェラーリ）はフェリペ（マッサ／フェラーリ）よりも速かった」

「正しくないのは、シーズンの序盤で（チームオーダーを）使うことだ」とモンテゼモーロはメディアを集めて行った食事会で語った。

そして2011年からは、チームオーダーを禁止するルールが撤廃されるが、シーズン序盤はアロンソとマッサを平等な条件で戦わせるとモンテゼモーロは明言。さらに、もしチームオーダーを発令する際には、観客のために分かりやすい方法で実施すると語った。

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