ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)と弟のラルフ・シューマッハが、2010年のチャンピオンになりたいのなら、レッドブルはマーク・ウェバー(レッドブル)に集中するべきだと語った。
ウェバーのチームメートであるセバスチャン・ベッテルは、韓国GPでリタイアになったことで、選手権トップに立つフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とは25ポイント差になってしまった。
その一方、同じく韓国GPでリタイアしていたウェバーは、アロンソから11ポイント差の選手権2位。レース優勝で獲得できるポイントが25ポイントであり、今シーズンはあと2戦しか残っていないことを考えると、ベッテルがチャンピオンになる可能性は低くなったと言える。
そんな中、ラルフは次のように『Bild(ビルト)』へ語った。
「レッドブルは1枚のカードに絞る必要がある。マーク・ウェバーだよ」
「セバスチャンはできるだけ多くのポイントを獲得する必要があるけど、レッドブルはウェバーがチャンピオンになるようにするべきだ」
また、ミハエルのほうは、ベッテルと親しい友人であることが知られているため、渋々ではあったが、レッドブルはウェバーにチームの力を集める必要があるとテレビ局『Sky』へコメントした。
「セバスチャンには悪いけどね。10年ほど前のことを思い出さざるを得ない。僕たちフェラーリは、シーズンのあんなに早い段階から選手権のことを考えるのは頭がおかしいと言われたんだ」
「でも、もしレッドブルが同じことをしていれば、彼らの悩みの種はずっと少なかっただろうね」
ここでシューマッハが語っているのは、2002年のオーストリアGPのこと。当時シューマッハはフェラーリに所属しており、絶対的なナンバー1ドライバーとして君臨していた。
オーストリアGPでは、終始チームメートのルーベンス・バリチェロ(現ウィリアムズ)がリードしていたが、選手権を考慮したチーム側が順位の入れ替えを指示。これを受けたバリチェロが最終ラップの最終コーナーを立ち上がった後、非常にあからさまな形でシューマッハに優勝を譲ったことから、フェラーリには非難が集まった。
これがきっかけになり、F1では、チーム側の指示によって順位を入れ替えるチームオーダーが禁止された。