スペインで開催されたWRC(世界ラリー選手権)のラリー・スペインで、シトロエンのセバスチャン・ローブが優勝した。シトロエン・ジュニアチームのキミ・ライコネンは、サーキットレースのフリー走行に相当するシェイクダウンでクラッシュ。ラリー・スペインをスタートできなかった。以下、プジョー・シトロエン・ジャポンのリリースより。
3週間前に2010年のWRCタイトルを手中に収めた(*)セバスチャン・ローブとダニエル・エレナ、そしてシトロエン・トタル・ワールドラリーチームがラリー・スペインで優勝し、またしてもその実力を証明しました。(*)FIAの最終承認を条件とする。
スタートからフィニッシュまでトップを走り続けたローブ/エレナ組が、世界ラリー選手権61勝目を挙げ、シトロエンC4WRCは、2007年のデビュー以来、ターマックでの負けなしという大記録をもたらしました。
2位にペター・ソルベルグ/クリス・ペターソン組、3位にダニ・ソルド/ディエゴ・ヴァレージョ組が入り、シトロエンは今シーズン5度目の表彰台独占となりました。
40秒を超えるリードでローブは自信をもってデイ3に臨みました。一方、2位ペター・ソルベルグと3位ダニ・ソルドはわずか16.9秒差。2位争いは激しくなりそうです。ソルベルグから2位の座を奪う意欲に燃えていたソルドは、SS13エル・プリオラ(42.04km)と続くショートステージ、SS14セラ・ダルモ(4.11km)を最速タイムで走り抜けます。
これでソルベルグとの差は10.8秒に短縮。「ローブがずっと前を行っているから、ペターと僕とでちょっとスリリングな勝負をしないとね」と、昼のサービスパークでソルドは笑いました。
「ロングステージでタイムを詰めるのはなかなか厳しいと思う。タイヤのことを考えると、好きなだけ飛ばすわけにいかないしね。ただ、ショートステージでは最初から最後まで思いっきり踏み込むよ。2つのステージで詰められたのが6秒ということは、何か外的な要因がないと2位奪取は難しいということ。でも、プレッシャーをかけ続けていくよ」
大きなリードのおかげで、ローブは少々タイムを落としても余裕がありました。「無事フィニッシュすることを一番に考えて走っている。ペースは後ろのスプリットタイムを考えて配分だね。僕もロングステージのエル・プリオラではタイヤのオーバーヒートを気にしながらの走りだったからね」
30分間のサービスを終え、午後は午前中と同じコースの2度目の走りとなります。果敢に攻めたソルドはエル・プリオラで再び最速タイム。これでタイム差は5.1秒となりましたが、結局、最終ステージでペターを抜くことはできませんでした。
「熱い戦いだった。シトロエン・トタル・ワールドラリーチーム再びのワンツー・フィニッシュ、とならなかったのはちょっと残念だけど、C4WRCとしては表彰台独占だからね。アスファルトでいい走りができたことがうれしいし、最後まで応援してくれた観客のみなさんに感謝したい」と、ソルド。
2007年以来、C4WRCを駆ってターマックで負けなしのローブからはマシンへの賛辞があふれました。「どんな路面でも素晴らしい走りをしてくれるから胸が熱くなるよ。モンテ・カルロも入れると、この4年間でアスファルトのラリー15勝だ。今回は何の計算も必要なかった。だからこれまでよりずっと楽に走れたね」
「ローブとエレナはとんでもない偉業を成し遂げましたよ」、とシトロエンのマネージング・ディレクター、フレデリック・バンゼは強調します。
「ラリー・フランスで狂喜してから3週間、彼らはモチベーションを保ち、最高のパフォーマンスで完璧な勝利を手にしたのです。スペインはシトロエンにとって最も重要なマーケットの一つですから、この勝利が持つ意味は我々にとって非常に大きいですね。ラリー・ド・フランスで2つのタイトルを獲って、ホッとしたあとにきちんと勝ってくる、チームのプロ意識と地道な努力には脱帽です」