チャンピオンに向けプレッシャーの高まるレッドブル

F1の2010年シーズンも3戦を残すのみとなり、選手権をリードするレッドブル勢へのプレッシャーが高まっている。

マクラーレンのルイス・ハミルトンは最近、チャンピオン争いが佳境に入ったF1で心理戦が繰り広げられるのは、「普通なこと」だと語っていた。

しかし、先制攻撃を仕掛けたのは、ハミルトンのチームメートであるジェンソン・バトンだった。イギリス各紙が、セバスチャン・ベッテル（レッドブル）がチームメートのマーク・ウェバーに勝つと予測するバトンのコメントを掲載した。

多くのコラムニストは、このバトンの発言について、レッドブル勢に対するプレッシャーをかけるためものだと考えている。

「ベッテルがマークと同点に並ぶには、あと2勝しないといけない。ただ、もし同点で最終戦を迎えたら、予選ではベッテルの方が有利だと思う」とバトンは語る。

また、フェルナンド・アロンソ（フェラーリ）もレッドブル勢にプレッシャーをかけている。次のようなアロンソのコメントを『El Pais（エル・パイス）』が報じた。

「これからのサーキットすべてで彼らが優勝候補だけど、これまでもずっとそうだった」

「でも、これまでの16戦で彼らがダブル（1-2フィニッシュ）を達成したのは、3回だけだよ。だから、これからさらに3回繰り返せるとは思わない」

「最も重要なのは、ポイントの状況が僕の流れになっていることだよ。この流れを止めちゃいけない」

「まだ3戦あるし、僕はやり遂げられると信じている」

さらに、イタリアの『La Stampa（ラ・スタンパ）』が、「3回の表彰台で十分なはずだ」とのアロンソのコメントを掲載している。

フェラーリを愛するイタリアのメディアもこの心理戦に参戦。ベッテルの勝利を祝うレッドブルの集合写真にウェバーの姿がなく、ウェバーの実物大写真が写っていただけであることを指摘し、レッドブル内に緊張関係があると書きたてた。

『Corriere dello Sport（コリエーレ・デロ・スポルト）』は、レッドブル勢が日本GP決勝で優勝を争わなかったことについて、「紳士協定」が結ばれていたと報じている。

また、スペインの『EFE通信』は、次のようなフェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリのコメントを掲載した。

「もしわれわれが予選で彼らよりも良い仕事をできれば、レースペースではわれわれも彼らに勝てる。鈴鹿（日本GP）がわれわれに向いていないサーキットだということは分かっていたので、あの結果には喜んでいる」

「まだ選手権がどうなるのか分からない。まだ3レース残っており、何が起きてもおかしくない」

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