ルールが変更されて初のレースとなったバーレーンGP、レース展開が退屈なものになったこともあり、新ルールに対する非難の声が出ている。
ドライバーや関係者は、ほとんどのクルマが似たような戦略を採用したこと、そして前を走るクルマに接近することが困難になり、追い抜くことができなかったとして給油禁止ルールを批判した。
レッドブルのマーク・ウェバーは、「何で彼らはいつも(ルールを)いじくっているんだ?」とルール作成者に非難の矛先を向けた。
『The Sun(サン)』紙が“ボア(退屈)レーンGP”と非難する一方、『Daily Mail(デイリー・メール)』紙は次のように報じている。
「FIA(国際自動車連盟)やチームは早急に問題を分析し、どうやって改善できるか確認するべきだ」
「このスポーツは今、大きなチャンスを失おうとしている。4人のチャンピオンがグリッド上に並び、その全員が競争力の高いクルマに乗っているのだ」
「砂漠のように無味乾燥なレースではなく、火花を散らす戦いにするべきだ」
イギリス以外では非難のトーンも下がっているが、フェラーリの1-2フィニッシュに歓喜するイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙ですら、興奮するような場面の少なさに言及した。
「客観的に見てみると、期待も高かった新しいF1がもたらしたのは、追い抜きが少なく、ほとんどのクルマが後方で隊列をなす退屈なレースだった」
「だが、サヒールは特殊なサーキットでもある。今後のシーズンがどう展開するのか見てみる必要があるだろう」
フランスの『L’Equipe(レキップ)』紙は、「究極に退屈」だったことに「反論はない」と報じている。
『Auto Hebdo(オート・エブド)』誌は、新ルールが失敗だったと言うには「まだ早すぎる」としながらも、「興奮がなかったことは認めざるを得ない」と書いた。
ドイツの『Bild(ビルト)』紙は、次のように語るエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)の父ホルへのコメントを掲載した。
「次はなにか読むものを持っていくよ」
ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)やレース優勝者フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は、今後も同じようなレース展開が続くと語っている。
また、現チャンピオンであるジェンソン・バトン(マクラーレン)は、17年前と同じようなF1に現代のドライバーたちも慣れるだろうと語ったアラン・プロストにこう反論した。
「昔とは違うよ。ダウンフォースが段違いに増えている。あのころは、前のクルマに近づけた。インサイドに入ることもできた。きちんとレースできたんだよ。でも今は大きく変わっている」