2010年のF1では給油が禁止されたが、これに対して賛否両論が出ている。
ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)は、給油が禁止されたF1が面白くなるとは考えていないようだ。
シューマッハは、今回のバーレーンGPが2010年シーズンの典型的なレース展開を示しているとして、『BBC』へこう語った。
「スタートして、自分のペースで走って、ミスをしないようにする。そういった感じだね」
「ミスをしない限り、オーバーテイクは基本的に不可能だよ。レース戦略が今みたいな感じだと、残念だけどそんなレースになる」
バーレーンGPを3位でフィニッシュしたハミルトンも、多くの燃料を搭載し、タイヤをいたわりながら走るという今年からのレースでは、少しフラストレーションがたまったと認めている。
「オーバーテイクという意味では、レースをエキサイティングなものにしていないね。サーキットの序盤の3分の1では、前のクルマについていくことができなかった」
「でも、興味深いシーズンになるよ。みんなタイヤをどうやって使うか学ぼうとしている。タイヤを理解して、燃料を節約して、攻めるべき時はどこなのか、攻めるべきでないのはいつなのか学習しようとしているんだ」とハミルトンは語った。
その一方で、最後にF1で給油が禁止されていた1993年にタイトルを獲得したアラン・プロストは、給油禁止がF1のためになると考えているようだ。
「ドライバーは今まで経験したことがないので、少し混乱するだろう。チームにも混乱が見られると思う」
「彼らは慣れる必要がある。数レースかかるかもしれないが、マシになるだろう」とプロストはコメント。
プロストのコメントを証明するように、ジェンソン・バトン(マクラーレン)はタイヤのことを気にしすぎたと語っており、フェリペ・マッサ(フェラーリ)は30周にわたって燃料を節約するように強いられたと明かしている。
だがプロストは、現代のドライバーたちも適応できると語る。
「彼らはスプリントに慣れてきた。フリー走行でも予選でもレースでもね。60kgの燃料を搭載しても、10kgの燃料でも差はない」
「だが、160kgの燃料を積んでスタートするときには、考え方を変える必要がある。彼らはそれに慣れていない」
「数レースもすれば、いいドライバーたち、トップトライバーたちはこれを気に入っているだろう」とプロストは加えた。
元F1ドライバーのデビッド・クルサードも、新しいF1が「落ち着くには時間が必要」と認めている。