FIA(国際自動車連盟)から科されていた無期限の追放処分撤回をフランスの法廷で認められたフラビオ・ブリアトーレ(元ルノー/マネジングディレクター)は、F1のパドックへの復帰を歓迎されると語っている人物がいる。
その人物とはバーニー・エクレストン。F1の最高権威であり、ブリアトーレの個人的な友人で、ブリアトーレとはビジネスパートナーでもある。
パリの大審裁判所は、FIAがブリアトーレとパット・シモンズ(元ルノー・エンジニアリング責任者)に対して、故意にクラッシュすることを指示したとするクラッシュゲートのペナルティーを科す際、「違法性」があったと判断した。
これを受けてエクレストンは、『Express(エクスプレス)』紙へこう語っている。
「当時から私は、最近では殺人犯ですら終身刑を受けないと言ってきたが、法廷も同じ意見だったようだ」
「彼はパドックから復帰を歓迎されるだろう。彼はF1の中でも最高な個性を持っているが、彼がこれから何をしたいと思っているのかは分からない」
「彼はこれから前に進んでいくだろう。彼にとってはいい判決だったが、FIAにとってはいいものではなかった」
また『Sun(サン)』紙に対して、エクレストンは次のように語った。
「もちろん、彼は勝って喜んでいる。だが、復帰は望んでいないと思う。過ちを犯したとして罰せられたものが復帰するのは、難しいことだ」
今のところ、ブリアトーレはF1チームの運営に復帰せず、ドライバーのマネジメント業務を再開しながら、ロンドンのサッカーチーム、クイーンズ・パーク・レンジャースの運営により多くの時間を割いていくとみられている。
ブリアトーレ本人もすぐにF1へ復帰する意志はないとして、イタリアのテレビ『RAI』へこう語った。
「家族と過ごすつもりだ。ほかのことはそれから考える」
だがエクレストンは、この問題がまだまだ終わらないと予想している。
「ずっと終わらないだろう。判事が判決を出したからといって、何も変わらない」
「法廷は、これが間違いだったと判断したので、FIAはまだ初めからやり直すことができる。そして続いていくのさ」
皮肉なことに、2008年にセックススキャンダルが起きた際にマックス・モズレー前FIA会長を弁護していた人物が、今はブリアトーレの弁護を担当している。
そしてブリアトーレの弁護士は、FIAが控訴で勝利するのは「非常に難しい」と語った。
「判決は非常に系統だっていると思う。これにFIAが控訴するのは、非常に難しいだろう」このように弁護士は『Guardian(ガーディアン)』紙へ語り、さらなる訴訟を起こす「可能性もある」と加えた。