スクーデリア・フェラーリ・マールボロが2010年型車F10を発表した後、技術首脳陣がメディアの質問に答え、F10の特徴などについて語った。
まず質問されたのは、新シーズンに未知の要素となるタイヤについてだった。これについては、テクニカルディレクターのアルド・コスタが答えた。
「タイヤに関しては、一度も見たことがなく、使ったことも、テストしたこともないタイヤを新車に装着して1回目のテストを行うことはめったにない」
チーフデザイナーであるニコラス・トンバジスも、こう加えている。
「タイヤ交換のスピードアップにも取り組んだ。これまでは、給油による制限があったが、今年は給油がなくなる。なので、ピットストップでのタイヤ交換について取り組んだ」
またタイヤについては、サイズもコンパウンドも変わることから、安全性に関する質問もあった。
あるイタリアのジャーナリストが「もし安全性の問題があった場合、FIA(国際自動車連盟)へ追加のテストを要請するのか?」と質問した。
これについてはコスタがこのように答えている。
「ブリヂストンは、タイヤテストに重大な関心を抱いており、ロングランの後にはタイヤの反応について彼らが分析していく」
なぜF10が速いのかという質問に対するコスタとトンバジスの答えは、このようなものだった。
「われわれは、なぜ昨年に十分な競争力を発揮できなかったのか、その理由を分析した。クルマ、組織、そしてレースへの取り組み方についてだ」
また、トンバジスに対して、空力と重要な要素である、重量配分についての質問がされた。リア部分のダウンフォースを増やすことが常に最良のことなのか?
「空力では、リアのダウンフォースを獲得することは難しい。パフォーマンスを向上させるために、常に効率の向上を目指している。クルマのセットアップについては、まだ新しいタイヤを使っていないので、疑問に思っている部分もある」
エンジンと電子機器の責任者となったルカ・マルモリーニに対しては、エンジン開発が凍結されている中、どのようにパフォーマンスを向上させるのかという質問があった。
「ある程度以上のレベルでエンジンが使われたことはなかった。今年は給油がなくなるが、エンジンの技術者たちは、これまでに考えもしなかった領域でエンジンを使っていた」
2009年型車の開発を終わらせ、F10の開発を始めるという決断が、どれほど影響しているのだろうか? コスタがこのように説明している。
「選手権を勝ち取る可能性はないとも思っていたので、F60の開発を終わらせることが必要だと考えた。去年のことは忘れ、2010年のことに集中しようとしている」
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