アブダビGP決勝トップ3FIA記者会見

2010年11月15日(月)
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出席ドライバー:1. セバスチャン・ベッテル(レッドブル)1時間39分36秒837、2. ルイス・ハミルトン(マクラーレン)1時間39分46秒999、3. ジェンソン・バトン(マクラーレン)1時間39分47秒884

TV向け共同会見:

Q: セバスチャン、今季あなたが世界選手権をリードしたのはわずか1回でした。それが最終戦の今日だったわけですか。

セバスチャン・ベッテル(以下、ベッテル):本当だな、ちょっと言葉が見つからないよ。こんな時は何を言ったら良いんだろうね。僕にとってもチームの皆にとっても、体力面、それと特に精神面でとてもキツいシーズンだった。僕らは常に自身とチームとマシンを信頼してきた。僕は自分を信じ続けたよ。今日はそんな皆にとって特別な一日だ。今朝起きた時は、なるべく何も考えず、人との接触を避け、自分の事に集中しようとした。

今日僕は、ベストを尽くして勝利するのみと分かっていた。今言われたように、今年は1度しか選手権のトップに立たなかったけれど、それがここ一番で実現したよ。もう言葉もない。今日のマシンは最高だった。スタートがカギだったね。ルイス(ハミルトン/マクラーレン)とはかなりギリギリの勝負だった。ところがその後、第1スティントでタイヤにちょっとグレイニング(ささくれ摩耗)が出て、少しルイスに接近されちゃった。その後は安定したけれどね。

それからは、もう夢のようさ。すべてが僕らの都合よく進んだ。ルイスがロバート・クビサ(ルノー)の後ろでピットアウトして前をふさがれたおかげで、僕は差を広げる事ができたよ。本当言うと、チェッカーフラッグを受けるまで僕は何も知らなかったんだ。最後の10周、僕のレースエンジニアがやけに完走を意識したアドバイスを送ってきて、何?って思った。何を緊張しているんだろう、でもきっとすごく良いポジションに付けているんだろうなと考えていたんだ。そしてゴールしたら、エンジニアが小声で「良い感じだ、でも他車のフィニッシュまで待たないと」と言ってきた。「彼は何を言ってるんだ」と思ったよ。僕はそれまでまったく場内のTVスクリーンに目をやっていなかったからね。そうしたら彼が無線で、世界タイトルを取ったって叫ぶじゃないか。何と言うか実に…。僕は多くの人たちに礼を言わなければならない。多すぎて何人も忘れちゃうくらいに。まずはチームに。サーキットにいる全員だ。メカニックの皆、それも僕の担当だけでなく、全員だ。次にエンジニア。長くなってごめんね。ものすごい実力の人たちが数多く一致団結して働いているんだから。イギリスのミルトン・キーンズの工場にいる皆も血のにじむ努力を重ねている。彼らも、先週末に続いて今日もこの瞬間を喜んでいるはずだ。

それからチームの母国オーストリアには、僕をデビューからずっと支えてくれた人たちがいる。レッドブルにはずっとお世話になった。今季もここに至るまでアップダウンがあったけれど、最終戦でトップに躍り出られたなんて信じられない。もう、礼の言葉しかないね。それに、カート時代の人たちにも感謝する。その何人かはアブダビに来ているんだ。ドイツのケルペン(シューマッハ家経営のカート場がある)で僕を応援してくれている人もいるし、実家があるヘッペンハイムの人たちも。とにかく、皆ほんとうにありがとう。

Q: 今日共に表彰台に上ったふたり(ハミルトンとジェンソン・バトン/ともにマクラーレン)、それにフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)とマーク・ウェバー(レッドブル)を加え、ライバルたちとの戦いは最後まで非常に厳しいものでしたね。

ベッテル:本当だね。信じられないバトルがあった。タイトなシーズンだったよ。何回、選手権リーダーが違ったか分からないよ。何人かはシーズン序盤で脱落したかに思えたが、その後カムバックしてきた。フェルナンドとフェラーリの事だけどね。最初は、「フェラーリ、サヨウナラ~」って思ったんだ。すると彼らはすごい勢いで盛り返した。マクラーレンも巻き返し組。ルイスは選手権をリードしていたね。僕ら全員が、上位フィニッシュを逃したレースについて一冊の本を書けるぐらいだ。ルイスはハンガリーでリタイアしたよね。僕はオーストラリアと韓国を取りこぼした。僕らは皆、山あり谷ありだった。精神を極限まで追い込む厳しいシーズンだったよ。常にそんな状態に身を置きながら、時には人の言う事をシャットアウトして自分の仕事をこなすのは大変だった。今回のレースにも、そんな心境で臨んだよ。そのすべてが報われたね。僕はすごく誇りに思う。

Q: ルイス、セバスチャンが言ったようにあなたは彼より早くピットインしましたが、その後トラフィックに引っ掛かりました。あの事態は避けられたでしょうか?

ルイス・ハミルトン(以下、ハミルトン):どうだろうね。後で調べてみなければ。きっとチームは正しい判断の下、すべてを行ってきたと信じる。あの時は、セバスチャンを出し抜こうと賭けに出たんだ。それが、ルノーの1台(クビサ)の後ろについちゃったのは残念だったよ。

Q: 今季はとても接近した選手権になりましたが、あなたの感想は?

ハミルトン:僕らチームにとって最高に盛りだくさんなシーズンだった。レッドブル、それとセバスチャンには心からおめでとうを言うよ。彼らは今季ずっと素晴らしい仕事をしてきた。彼はチャンピオンにふさわしい。僕らにとって素晴らしいシーズンの締めくくりとなった。僕とジェンソンにとってね。今年ずっとハードにプッシュし続けたが、それも、あきらめずにがんばってくれた、本拠地にいる人たちのおかげだ。来年はもっと良い年になるよ。

Q: ジェンソン、第1スティントはとにかく長かったですね。どんな思惑だったのですか?

ジェンソン・バトン(以下、バトン):僕らは、プライムタイヤを履いて、同じく長いスティントを走っていたロバート・クビサの前に出ようとしていた。途中までうまくいっていたんだけれど、スティントが進むにつれソフトタイヤ(オプションタイヤ)の性能低下が進んで、彼とルイスの前に出る事は叶わなかった。

Q: マクラーレンは好結果でシーズンを終える事ができました。これは来年の挑戦の予兆でしょうか?

バトン:セバスチャンが言ったように、多くの人たちにとって今季はアップダウンの繰り返しだったと思う。チームには深く感謝したい。移籍1年目にして素晴らしいシーズンを過ごしたよ。まるで我が家のように感じる。今年は、エンジニアをはじめ、ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス・チームの皆と密接に仕事で関わってきて、ルイスも僕も多くの経験をした。それが来年に向けて大きな土台になるだろう。これから僕らは少しの間、休暇に入るけれど、その後はまた全力投球さ。もう今からチームをプッシュしなきゃ。僕ら(バトンとハミルトン)は、共にこの男(ベッテル)の座、すなわち壇の中央に返り咲きたいからね。

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