2010年GP2シリーズ第9戦の2レースがモンツァ・サーキットで開催され、ブリヂストンのハードスペック・ドライタイヤを装着したサム・バード選手(ARTグランプリ)とクリスチャン・ビエトリス選手(レーシング・エンジニアリング)がそれぞれ優勝した。このレースで、パストール・マルドナード選手(Rapax)の2010年GP2シリーズ・チャンピオン獲得が確定した。
週末を通じて耐熱性がタイヤのパフォーマンスに影響を与える大きな要因になった。ハードコンパウンドGP2タイヤは高温に耐える力が大きく、多くのドライバーは安定したラップタイムを記録していた。
全30周で争われた土曜日のフィーチャー・レースでは事故が多発し、スタートから7周目までの間に全体の3分の1以上のドライバーがリタイアした。ポールシッターのジュール・ビアンキ選手(ARTグランプリ)は、第1コーナーでチームメイトのバード選手の先行を許した。
これでトップに立ったバード選手は首位を守り切って自身初のGP2優勝を果たし、合わせて最速ラップタイムを記録した。ビアンキ選手は2位でゴールし、3位にはオリバー・ターベイ選手(iスポーツ・インターナショナル)が入った。
日曜日のスプリント・レースは全21周で争われ、ドイツ人ドライバー、ビエトリス選手が素晴らしいスタートでグリッド5番手から首位に躍り出た。ビエトリス選手はジェローム・ダンブロシオ選手(DAMS)に1秒差をつけてゴールした。
またバード選手はグリッド8番手から順位を上げて3位でゴールし、それに加えて最速ラップタイムを記録し1ポイントを獲得した。マルドナード選手はこの週末に2回目のリタイアを喫した。しかしランキング2位のセルヒオ・ペレス選手(Barwa Addaxチーム)もポイントを獲得できなかったため、マルドナード選手のチャンピオン獲得が確定した。
第9戦を終了した現段階で、ドライバーズ・ランキング首位に立つマルドナード選手の獲得ポイントは87ポイントである。ペレス選手が60ポイントで2位を守り、ビアンキ選手52ポイントを獲得して3位に上がった。
チーム・タイトルの行方はまだ決まっていないが、現時点で107ポイントを獲得したRapaxが首位を守り、Barwa Addaxチームが99ポイントで2位に、ARTグランプリが94ポイントで3位につけている。
次戦はいよいよ2010年GP2シリーズの最終戦を迎える。シーズン最後のレースは11月12日~14日にヤスマリーナ・サーキット(アブダビ)で開催される。これまで6年間GP2シリーズの単独タイヤサプライヤーを務め、今シーズン限りでこのシリーズを離れるブリヂストンにとっても、アブダビ戦はGP2シリーズの最終戦になる。
浜島裕英 (株)ブリヂストン MS・MCタイヤ開発本部フェローのコメント:
「今週末のGP2フィーチャー・レースはシケインの事故から始まりましたが、序盤の数周では何度か積極果敢なドライビングが見られました。第1シケインの内側には高い縁石があり、コース幅が狭いので、ドライバーはミスをすることができません」
「サム・バード選手の安定したラップタイムから、彼が果敢に攻め続け、タイヤのパフォーマンスも安定していたことがわかりました。彼はタイヤに満足していたと思いますし、私たちもタイヤが良好なパフォーマンスを発揮したことをうれしく思っています」
「暑さでタイヤにブリスターが発生したケースもありましたが、これがラップタイムに影響したと感じたドライバーはいなかったようです。スプリント・レースではタイヤにトラブルはなく、ビエトリス選手が力強い走りでリードを守りました。新しいGP2チャンピオンになったパストール・マルドナード選手にお祝いを申し上げます」
(ブリヂストン・プレスリリース)