ルノーの元マネジングディレクターであるフラビオ・ブリアトーレには、険悪な仲として知られたマックス・モズレー前FIA(国際自動車連盟)会長と和解しようなどという考えはないようだ。
モズレーは昨年、ドライバーへ故意にクラッシュすることを指示したとするクラッシュゲート事件をめぐり、ブリアトーレが無期限の追放処分を受けるのを見届けた後に会長職を退いた。
しかし、70歳になったモズレーはすでに事実上の隠退生活を送っており、新会長にはジャン・トッドが就任し、ブリアトーレの追放処分を2012年末までに短縮することに合意している。
一方のブリアトーレも、先日60回目の誕生日を迎えており、現在は元モデルの妻エリザベッタと、生まれたばかりの息子ファルコとともに自宅で幸せを満喫している。
だがブリアトーレは『Chi(キ)』誌へ、モズレーと和解することに興味はないと語った。
「ファルコが生まれたとき、彼も祝福のテキスト・メッセージを送ってきたが、彼は過去の私の人生にかかわりがあった人物だ。私の将来に彼の居場所はない」
「ジャンのことはうれしく思っている。20年来の友人だからね。彼のおかげで、今ではFIAも静かに、そして穏やかに新しい空気を取り込むことができている」とブリアトーレは話した。
ブリアトーレとともにクラッシュゲートにかかわったとされたパット・シモンズ(元ルノー・エンジニアリング責任者)とネルソン・ピケJr.(元ルノードライバー)は、共謀して2008年のシンガポールGPで故意にクラッシュしたことを認めたが、ブリアトーレは一貫して無実を主張してきた。
そのブリアトーレは、自身の評判に汚点がついたことを許すつもりもないようだ。
「私のストーリーにとっては、非常に悪いものだった。私は不公平さに苦しめられた。だが真実が、真実の持つ力こそが常に勝つんだよ」とブリアトーレは加えている。