昨年にルノーを解雇されていたネルソン・ピケJr.と、ピケJr.の父で3度のワールドチャンピオンであるネルソン・ピケが、ルノーの元マネジングディレクター、フラビオ・ブリアトーレに対する法廷での戦いを開始した。
『Daily Mail(デイリー・メール)』紙によると、ピケ親子はピケJr.の元マネジャーでもあるブリアトーレに対し、20万ポンド(約2,800万円)の損害賠償を求めているようだ。
今回の訴訟の背景には、ピケJr.が2008年のシンガポールGPで故意にクラッシュし、その翌年にチーム首脳陣に指示されたことだったと暴露した「クラッシュゲート」がある。
ルノーF1チームは、ピケ親子が誤った証拠を統括団体FIA(国際自動車連盟)に提出し、チームを脅迫したとするプレスリリースを発表していたが、ピケ親子はこれを理由に訴訟を起こしたと『Daily Mail(デイリー・メール)』紙は報じている。
問題のプレスリリースはルノーF1チームが昨年の9月に発表したもので、その中でチームとブリアトーレが、フランスとイギリスでピケ親子に対する刑事告訴を行うとも書かれていた。
しかし、ピケJr.の告発が事実であったことが判明すると、ブリアトーレを解雇したものの、謝罪は行っていない。そしてルノーは、チーム株式の大部分をジェニイ・キャピタルへ売却している。
「ルノーF1がピケ側の謝罪の要求と申し立ての撤回を受け入れなかったことを考えると、彼らは法廷で申し立ての不当性を証明するしかないと考えたのだろう」とピケ親子の弁護士ドミニク・クロスリーは語った。