衝撃のF1撤退から1年。トヨタのF1活動を行っていたトヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)が、事業転換に成功したことに満足していると発表した。
トヨタのF1撤退発表後、TMGの解体や売却がうわさされたこともあったが、企業としてのTMGは存続。F1活動で培った技術やノウハウ、最先端の設備などを利用し、さまざまなハイテク事業を展開している。
『Autosport(オートスポーツ)』によると、TMGのビジネス・デベロップメント・ゼネラルマネジャーであるイェンス・マルクアルトは、年次報告で次のように語っていたようだ。
「われわれにとって今年は、飛躍の年になった」
「われわれのF1活動が終わった2009年12月、多くの挑戦に直面することとなったが、われわれは勇気と自信を持ってこれに立ち向かってきた。われわれの懸命な働きが今、結果に表れてきているので、この12ヶ月のことを満足感とともに振り返ることができる」
また、トヨタF1でシャシー部門の責任者だったパスカル・バセロンもTMGに残っており、F1活動で培ったものをモータースポーツ以外の分野でも活用できるとして、こうコメントした。
「F1活動の遺産は、想像できうるすべての自動車開発ツールがそろった施設と、それを最大限に有効活用できる非常に有能なエンジニアの集団だ」
「F1のエンジニアリングは、非常に特殊で狭い専門分野だという認識があると思う。だが、われわれのエンジニアリングの専門性と、設備の幅広さには、顧客も非常に感銘を受けている」