【F1日本GP特集】5人に絞られたF1チャンピオン争い

2010年10月06日（水）

10月8日（金）に開幕が迫るF1日本GP。ここでは、いよいよ佳境に入ってきた2010年F1のタイトル争いについておさらいする。

F1では、決勝で10位以内に入ったドライバーにポイントが与えられ、シーズン終了の時点で最も多くのポイントを獲得しているドライバーがチャンピオンになる。昨年までは、8位までのドライバーしかポイントを獲得できなかったが、今年から参戦チームが3チーム増えたことなどが考慮され、10位のドライバーまでポイントを獲得できることになった。

獲得できるポイント数は、1位25ポイント、2位18ポイント、3位15ポイント、4位12ポイント、5位10ポイント、6位8ポイント、7位6ポイント、8位4ポイント、9位2ポイント、10位1ポイント。

F1日本GP開幕時点で、王座争いは事実上5人に絞られている。
首位に立っているのはマーク・ウェバー（レッドブル）202ポイント、2位フェルナンド・アロンソ（フェラーリ）191ポイント、3位ルイス・ハミルトン（マクラーレン）182ポイント、4位セバスチャン・ベッテル（レッドブル）181ポイント、5位ジェンソン・バトン（マクラーレン）177ポイント。この5名がチャンピオン候補だ。

■最速も、「取りこぼし」の多いレッドブル
今シーズンは、序盤からレッドブルが圧倒的な速さを見せ、そのままレッドブルがチャンピオンになるとみられた。しかし、レッドブル勢、特にベッテルは、トラブルや自らのミスなどによる”取りこぼし”が多く、なかなかポイントを伸ばせない状況が続いた。

■安定感を見せたマクラーレン
その一方で安定した強さを見せたのがマクラーレン勢。特にバトンは、天候の変化によって混乱したレースで落ち着いた走りを見せ、一時はランキング首位に立っていた。シーズン序盤こそレッドブル勢に後れを取っていたものの、シーズン中盤にはクルマの速さも増し、レッドブルに匹敵する速さを得た。しかし、この数戦はやや失速気味になっており、ハミルトンが2戦連続でクラッシュによるリタイアを喫していることもあり、流れはよくない。

■急速に追い上げるフェラーリ
マクラーレンとは対照的に、シーズン終盤戦に勢いをつけてきたのがフェラーリ。開幕戦にアロンソが優勝した後、レッドブルの後塵（こうじん）を拝し続けていたフェラーリだが、第11戦ドイツGPでアロンソが優勝したことをきっかけに速さを取り戻し、第14戦イタリアGPと第15戦シンガポールGPではアロンソが2連勝を達成した。チーム側も、残りの全戦で優勝を狙えると自信を見せており、レッドブル勢にとっては最大のライバルになるとみられる。

■全面サポートを受けるアロンソが有利？
また、アロンソにとって有利なのは、チームメートのフェリペ・マッサが、事実上はチャンピオン争いから脱落している点だ。レッドブルとマクラーレンでは、2人いるドライバーの両方がチャンピオンになる可能性を残していることから、どちらか一方のドライバーにチームの力を集中できない。

しかし、フェラーリではアロンソのみがチャンピオンになる可能性を残しているため、チームの力をすべてアロンソに集中することができる。ランキング首位のウェバーから5位のバトンまでが、わずか25ポイント差、1回のレース優勝でつめられるほどの接戦であることを考えれば、チームからの全面サポートを受けられることがアロンソの追い風になるはずだ。