琢磨、武藤、ロジャーが登場、INDY JAPAN日本人ドライバー壮行会!

2010年09月11日(土)
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9月11日(土)、東京都港区南青山にあるHondaウエルカムプラザ青山で、『INDY JAPAN 300mile 日本人ドライバー壮行会イベント』が行われ、フル参戦している武藤英紀(ニューマン・ハース・レーシング)と佐藤琢磨(KVレーシング・テクノロジー)、そしてインディ・ジャパンでスポット参戦するロジャー安川(コンクエスト・レーシング)が登場した。

300枚限定のチケットを手にするために、昨夜から並んだファンもいたほどだ。チケットの配布はあっという間に終了し、多くのファンがチケットを手にすることができなかった。中には、このイベントのために広島県からかけつけたファンも見られた。

来週末に迫ったインディ・ジャパン。今年で3回目の出場となる武藤と初出走する琢磨のトークショーが繰り広げられた。琢磨は「インディカー・シリーズは今年初挑戦なので、行くところ行くところ新しい場所でイメージがわきませんでした。日本のレースになると遠方からファンのみなさんが応援にかけつけてくれるので、もてぎにたくさんのファンのみなさんが応援にきてくるというだけで、士気があがってきます」と語った。武藤は「過去2年は自分を追い込みすぎて、力み過ぎてレースに臨んでうまくいきませんでした。今年はリラックスして自分のペースで臨みたいと思っています。日本はファンのみなさんの前で走れる唯一のチャンスですから、応援の期待に応えたいと思っています」とコメントした。

今季開幕戦から前戦ケンタッキーでのレースまでを振り返り、2人が接触してリタイアしたことや、伝統のインディ500のレースなど、笑いとジョークを取り入れながら、トークショーが進められた。

インディ・ジャパンに参戦するドライバーの中で気になるドライバーを選んでほしいという質問に、武藤はKVレーシングのマリオ・モラエスを挙げた。武藤は、モラエスが外国人に人気のある築地市場ツアーに参加し、武藤の父親が経営する魚屋へ行ったことを明かした。モラエスは武藤の父親の店だとは知らず、店にはられていたインディカーのポスターを見て、立ち寄ったようだ。さらに武藤は父親からモラエスと父親が一緒に写った画像が送られてきて、びっくりしたようだ。

一方、琢磨の気になるドライバーは、ロジャー安川だ。「僕のパートナーですよ。スポッターをしてもらっていました。ある意味、僕はアバターだったわけです。でも、今度は一緒に走ることになります。車内からスポッターをやってもらおうかな」と語ると、会場からは笑い声があがった。

プライベートの質問をされると、武藤と琢磨はインディアナポリスで行われたMotoGPのレースを一緒に見に行ったことを明かした。Hondaウエルカムプラザに設置してある大きな画面にMotoGPに行ったときに撮られた写真が映し出された。また、琢磨は生活の拠点をヨーロッパからアメリカへ移しており「アメリカ生活を楽しんでいます。ヨーロッパと一番違うのは、移動する距離がすごく大きいことです。端から端まで飛行機で4時間ほどかかります。なお且つ時差も3時間あります。でも、言葉が通じるのがうれしいです」と語った。

武藤と琢磨は、お互いの印象を一言で表現するとどんな人物かと聞かれると、武藤は「一言では言い表せませんが、しゃべるのがうまいですね」と言うと会場からは笑い声が上がった。さらに「僕が言いたいってことをうまく表現してくれて、知的だなって思いますね」と付け加えた。インディカー・シリーズで先輩の武藤だが、年齢は琢磨のほうが上であるため、「先輩ですから緊張はしますが、いつもおもしろいし、楽しいですよ」と語った。

琢磨は武藤のことについて「しゃべるの下手だな」って言うともっと大きな笑い声があがった。ふたりはカート時代から一緒に走った経験があり、カートでのレースやテストにいっても琢磨が行くと武藤が常にいたこと、カート時代でチャンピオン争いをしたことなどを語った。武藤がイギリスへ渡ったときも琢磨は、武藤の軌跡を追いかけいたけれど、すごく応援していたことを明かした。また一緒に走れるとは夢にも思っていなかった琢磨は、インディ参戦が決まったとき武藤が走っているから安心して行けるなって思ったことを明かした。

武藤は家業の魚屋を継ぐことを考えていることを明かすと、会場からは、「えっ!」っていう声が聞こえてきた。「家業を継がなければいけないのかなって思うことがあります」と語った。引退後すぐに継ぐなどの詳細は決まっていないようだが、いつかは家業を継ぐ覚悟があるようだ。

今年でインディ・ジャパン6回目の出場を果たす安川が登壇し、スポット参戦のいきさつについて、「正直、今回はラッキーだったかなと思います。1、2カ月前に話はあったんですが、だんだん厳しいかなと思い始めていました。たまたまコンクエスト・レーシングのシートが空き、チームと話をしました。スポンサーがついてくれて、土壇場で話が決まりました。ただ、今年は琢磨のスポッターをやらせて頂いていて、急きょごめんなさいという形になってしまったので、ちょっと気まずいかな」と語った。

いよいよ来週末に迫ったインディ・ジャパンにむけて3人のドライバーは、最後に意気込みを語った。

安川は「今回かなり土壇場で決まったレースですけれども、ほんとうにチームはいいマシンを用意してくれていると思います。去年はちょっと悔しい結果内容だったので、その分リベンジということで、全力でがんばりますので、応援よろしくお願いします」

琢磨は「ロジャーを失ってしまったんですけれど、本当にここまでのレースでたくさんのことを勉強して学んで吸収してきたので、もてぎは集大成として最高の走りを目指してがんばりたいと思います」

武藤は「僕は過去2年参戦して、正直納得のいくレースができていません。特に去年は予選で大きいクラッシュをして、決勝でチェッカーを受けるのが難しい体調だったのです。でも、最後のイエローコーションのときに、ファンの人が一生懸命に旗を振ってくれるのが目に入って、これは何とかゴールしなきゃいけないなと思いました。ほんとうに応援の力っていうのは、すごいなっていうのを実感しました。今日もたくさん応援に来てくれているし、なんとかいい走りをしたいと思っています。3年目、一生懸命がんばります。応援してください」

イベントは、トークショーだけではなく、ドライバーの直筆サイン入りフォトやTシャツなどのプレゼント抽選会も開かれた。サインを入れたバイザーが登場すると会場からは、どよめきがあがった。3人は、抽選で選ばれたファンの名前を入れて、手渡しするなど、ファンはとても貴重な経験をプレゼントされた。

会場につめかけたファンと一緒にフォトセッションや握手会が行われ、ファンとの距離が近いイベントは、予定時間を越して終了した。

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